所によって鈍感-10
「あんっあっあっ!!芳郎ぉっ……私……おかしく……なりそっ」
「いいぜ……おかしくなれ……っ俺に狂えっ!!」
「ああっ芳郎っ!!イクぅっ!!私イちゃうぅっ!!いやあぁぁーーっ!!」
璃子の躰がビクビクと大きく痙攣し、芳郎をギュウギュウに締め付けた。
「璃子っ」
ガツガツと激しく打ち付けていた芳郎が1番深く突き入れた所で動きを止める。
ドクンドクンッと欲望が薄い膜の中に吐き出された。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
「はっ……はっ……はっ……」
抱き合ったまま荒い呼吸をする2人の耳にチャイムの音が聞こえる。
芳郎はもぞもぞと動いて璃子の中から自分を抜いた。
「あんっ」
璃子は少し寂しそうな声をあげる。
「はっ……で?どうだった?」
芳郎は後始末をしながらぐったりしている璃子に聞く。
「凄い……気持ち良かったぁ……芳郎くんは上手だね……」
璃子の言葉に芳郎は喉を鳴らして笑った。
「お前はホント淫乱だな……」
狂わせる予定が途中から自分が夢中になってしまった。
こんな璃子の姿を誰にも見せたくない……自分だけのモノにしたい。
「なぁ……璃子……俺のもんになる気はないか?」
芳郎の言葉に璃子は首を傾げて、キョトンとして聞き返す。
「それは……奴隷とか肉便器とか……そういう事?」
「……お前な……」
奴隷はまだしも肉便器はないだろう。
こういう時はネット情報が恨めしい……芳郎は思わずうなだれてしまった。
「ん〜…良くわかんないけど……」
(良くわかんないだと?!)
自分なりに精一杯の告白を、この女はそんな答えで済ますつもりか、と芳郎は璃子を見る。
璃子は両手を後ろに回してブラジャーを整えていた。
「芳郎くんのモノになったら……またシテくれる?」
「は?」
「頑張って可愛くなるから……もっと気持ちいい事教えて欲しいな……」
恥ずかしそうに頬を染めた璃子の可愛いらしさに芳郎の怒りが萎える。