春の嵐-4
「あ…何?…どうしたのよ?」
女は意識を取り戻した。
けれども自分で立ち上がる事さえままならない。
「帰ってやるもんか、ちくしょうっ!」
この女は酔ってわざわざ嫌がらせにやって来たのか、それとも脳裏に巡る何かに対して怒りを覚えているのか体を引きずって浴室に運び込もうとする浩一にそう叫んだ。
人間はたぶん正体もなくす程酔ってしまうと身の上にある衝動的な行動しかできないのだろう。
浴室に引き込んで服を脱がしてしまおうとすれば抵抗はしたものの、汚物にまみれた衣服が不快だったのか今度は自分から素っ裸に脱ぎ始めた。
そうしてシャワーで体を流してやっているとそのまま、また眠り始めたのだった。
異常に警戒心の強い女。
見た目にそぐわない下着を着ける女。
酔うと正体をなくしてしまう女。
それに他人の部屋をムチャクチャにしておいて、ひたすら眠りこける無神経さ…
もうなんだか、わけが分からない。
浩一は女の体を隅々まで洗い流してベッドへ引きずり上げると女の唯一の所持品である赤い下着だけを着けさせた。
その時、裸の女はそれを脱がされると勘違いしたのか心ならずも抵抗をしたがとるもとりあえず、大事なところだけ隠してしまうと諦めたような顔をして腕を降ろし瞳を閉じたのだ。
浩一はこの時、こんな風に感じてしまった。
この女は自分の部屋に押しかけてきて、いま裸でいる。
そして何を勘違いしたか諦めてしまった。
そんなつもりはなかったものの、逆の方程式が成り立ってしまいこの女を襲ってしまっても構わないのだ。
女の乳首は刺さるほどに勃起していた。
「あぁ…イヤ…」
それに触れて、唇に啄んでみてもそう小さく囁いただけで抵抗するでもない。
柔らかな乳房を手の感触で確かめながら、舌を絡めて乳首の感触を味わった。
女の体は柔らかく暖かい。
吐息は多量のアルコールと嘔吐物の匂いがした。
唇を塞いでしまうと苦しそうにしたので呼吸だけはできるように女の口膣を開き、その中に舌だけを挿し込んでみた。
緊張と興奮で体中の血が激しく駆け巡る。
気のせいか舌を挿し入れた時、女も舌を使ってそれを招き入れようとしたように思えたが侵入してきた浩一を追い出そうとしたのかも知れない。
「イヤ…イヤっ…」
下着に染みついていた縦筋の原版に舌を這わせ、思い残す事なくその匂いを嗅ぎまわしたが女は仰向けに転がったままの姿でそう囁くだけだった。
白い脚を開き鼻孔をくすぐる陰毛に頬を擦り寄せ、ついでに肛門まで舐めまわしてしまう浩一にそれを阻止する手立てはすでに何もなかったのだ。
濡れそぼった体内の状態を確かめて裸の体を重ね合うとゆっくりとその中にペニスをねじ込む。
女の膣孔は獲物を捕らえた食虫植物を思わせるようにぎゅぅっとその形に無数の襞を絡ませて縮みこむ。