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hangover
【OL/お姉さん 官能小説】

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コロとカノジョの1日目-4

名残惜しそうに離れていった手は信号待ちの度におずおずと伸びてくる。さすがにキスはしなかったけれど、なんとなく気恥ずかしいと思いながらもほっこりとした気分で西島のアパートへと戻ってきた。コンビニに寄りお泊まりセットを購入して、店を出てからは玄関まで手を繋いだまま歩く。荷物の大半は自分で持つと言ったのに西島に半強制的に奪われた。玄関が閉まった瞬間、強く抱きしめられる。

「ちょ、ちょっと。せめて荷物置いてからにしない?」

「た、確かに…すみません、つい…」

車の中でのあのおどおどっぷりは何だったんだ?というくらいの積極的な抱擁に思わずびっくり。時々見せる西島のギャップに思っている以上にヤラれているんだろう。部屋に入り荷物を置いて、とりあえず冷蔵庫に入れたほうがいいモノはしまってもらう。

「榊さん、今飲みますか?」

缶チューハイを軽くあげてこちらに問いかける。

「んー、今はまだいいや。アンタはもう飲む?」

「オレは酒より…」

そう言いながら近づいてきて隣に腰を下ろす。たったそれだけなのに自分でも心拍数があがっているのがわかる。

「酒より何よ?」

それを西島に感じ取られたくなくてつい強気な態度に出ちゃう。

「さっきたっぷり見せてくれるって言ったじゃないですか」

「あぁ」

「あぁ、って榊さん」

私の反応の薄さに若干呆れたような顔。

「ちょい待ち…ほら。ご自由にどうぞ」

ゴソゴソと買ってきた荷物の中から下着屋の袋を探し当てると、もらってきたカタログを差し出す。

「そうそう、これこれ。うわぁ、セクスィーなお姉さんがたっぷりー、って違ぁうっっ!!」

コイツならそう返してくれるだろうと思った通りの反応に思わずニンマリ。

「だって一緒に選びたいって言ったじゃない」

「そ、そうですけどオレが見たいのはっ。えっ?榊さん?」

立ち上がって着ていたニットを豪快に脱ぐと床に落とす。口をあんぐりと開けたままの西島の目の前で次はスカートに手をかける。ちょっといじめすぎたかな、と思って。望み通り下着姿になった私を見て、最初はまんまるになっていた草食動物の瞳が徐々に獣のソレに変わっていく。

「榊さん…襲いますよ?」

すっと立ち上がると私ににじり寄ってくる。自分から挑発したのにものすごくドキドキしている。

「…いいよ。でも病み上がりだし久しぶりだからあんまり激しくしないでね」

声がかすれる。あぁ、ドキドキがバレちゃうじゃない。

「さんざんじらされて突然目の前にご褒美が出てきたら、激しくしないなんて無理ですよ?」

「無理ならダ…」

最後まで言い切らないうちに唇が奪われる。強く強く抱きしめられて、また酸欠になっちゃうんじゃないかってくらいの激しいキス。そのままベッドサイドに誘導され、押し倒された私の上に西島が覆い被さってくる。

「ダメって言ったでしょ?せめてシャワーくらい浴びてから…」

唇が離れた瞬間抗議するけれど、最後まで抗議させてもらえない。再び唇を塞がれる。さんざん唇を味わい尽くされたあとようやく離れていく。

「もうガマンできないですよ。どうしてもシャワー浴びたいなら一緒に入ります」

「…わかったわよ。一緒に入ればいいんでしょ?」

一緒にお風呂に入るなんて経験したことないから恥ずかしくないわけし、できれば避けたいとは思ったけれど。どうやら私の回答に満足したらしく西島が起き上がる。

「今浴室温めてきますから。榊さん先に入ってメイク落とし終わったら声かけてください。メイクまでオレに落とさせてくれるなら最初から一緒に入りますけど」

なんだろう?この状況に来てからのコイツの余裕。ちょっと癪に触るわ。

「メイクくらい自分で落とすわよ」

ムスッと言い返す私の頭をぽんぽん、と撫でて浴室へ向かった。ほらまた普段とは違うドキッとするくらい大人びた表情。戻ってきた西島に促されて先に入る。ブラとショーツを外し、今日は自分で買ってきたお泊まりセットでメイクを落とし始める。イケメンだし、性格も悪くないし周りのコたちだって放って置かなかっただろう。浴室温めたり、昨日のお泊まりセットの用意といい、メイク落としの姿見られたくないオトメゴコロに対する気遣いを思うと、女慣れしてるんだろうな。今までどんなコと付き合ってきたんだろう。過去と比べたって意味ないとはわかっていても、そんなこと考えてしまうのは、やっぱり西島にハマってしまっている証拠なんだろうか。雑念を振り払う意味も込めて、ぬるま湯で洗い流したあと、冷たい水を顔にかける。

「西島、そこにいるんでしょ?」

「バレました?もう入っていいですか?」

「うん、お待た…」

言い切る前にガチャっとドアが開いて全裸の西島が入ってくる。

「ちょ。どんだけ張り切ってんのよ」

目のやり場に困っているのを悟られないようにからかってみる。

「さっきから言ってるじゃないですか、もう我慢できないって」

ちょっと不満そうに頬を膨らませる。

「だって朝出したじゃない。どんだけ溜めてたのよ?」

「出したとか溜めてたとかもうちょっと他に表現ないんですか?」

今度は呆れたような溜息。

「今更アンタの前で気取ってどうすんのよ?この程度の下ネタなんて日常茶飯事でしょ?」

「まぁ確かに」

苦笑いの西島の腕の中に絡め取られる。

「でも榊さん、緊張してますよね?さっきから」

「…少しはね」

そうなのだ。取り繕ったって仕方がない。

「あ、思ってたより素直だ」

子供にでもそうするように、人の頭を撫でる。

「何よ?」

「いや、可愛いなって思って」

「あ、そう」

「あ、そうってまたそんな。榊さんてば反応薄すぎますよ」


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