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hangover
【OL/お姉さん 官能小説】

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コロとカノジョの1日目-2

起き上がると汚れないように布団をめくる。ヘッドボードに置かれたボックスティッシュを箱ごと拝借してソレのそばにスタンバイ。カーテンの隙間から洩れ入る光だけが頼りの薄暗い部屋。手を上下させるスピードを速めると、さらに西島の呼吸は早くなる。

「うっ、あぁっ。出るっ」

慌ててティッシュを何枚か抜き取って被せたけれど、自分でも言ってたように若くて勢いがいいからか、少しだけ飛び散ってしまった。収縮が収まるのを待って後始末をする。

「す…すみません…」

「気持ちよかった?」

「超気持ちよかったです。あ、顔に…ほんとすみません」

どうやら少しだけ頬に白い液体がかかってしまっていたらしい。西島が慌ててティッシュで拭いてくれた。西島の胸を枕にして横になる。まだ速い鼓動が伝わってくる。また愛おしいって感情に包まれた瞬間。

…ぐるぐるぐるぐる。

音の犯人は西島で、また顔を真っ赤にさせてる。ホントに可愛いヤツだ。

「ねぇ西島、キッチンと食材借りていい?朝ごはん作るからその間にシャワー浴びてきたら?」

「お言葉に甘えてもいいですか?」

「もちろん。あ、その代わり後で髪、カットしてくれる?」

「ほんとに切っちゃうんですか?もったいないですよ。そんなにキレイな髪なのに」

愛おしそうに私の髪を撫でる。

「いいの。っていうか切りたいし、西島に切って欲しい」

「わかりました。じゃあ、ご飯食べたら」

「うん。じゃぁキッチン借りるね」

西島の頬にひとつキス。それだけで真っ赤になる。ベッドから抜け出すとキッチンで手を洗わせてもらってから冷蔵庫拝見。

「たいしたもん入ってなくて申し訳ないです」

「あ、梅干とお冷ごはんもらうね。鰹節か何かダシになるようなものある?」

ちゃんと自炊しているらしい。

「ダシの素切らしちゃったから、麺つゆ的なモノしかないですけど」

バスルームへ向かおうとしていた西島を捕まえて必要なものを用意してもらう。

「うん、上等」

「じゃぁ、すみません。オレ、シャワー浴びてきます」

バスルームへ消える西島を見送ると、早速取り掛かる。といっても麺つゆを水で薄めたものを鍋に入れ、お冷ごはんも投入して火にかける。その間に梅干の種以外の部分を包丁で軽く叩くだけなんだけど。時間を確認すると10時近くて。もうお昼も近いし二人とも昨日相当飲んでるからあっさりしたもののほうがいいかな、と思って。キッチンの背面にあるバスルームからはシャワーを浴びる音が聞こえる。なんだかいいな、こういうの。シャワーを浴び終わって腰にバスタオルを巻いた西島が出てきた頃にはちょうどいい具合に出来上がっていた。

「あ、美味そう」

「あ、意外にいいカラダしてる」

そういうと胸にパンチ。恥ずかしそうに笑いながら痛がるフリ。西島は着替えると食器を並べたりするのを当たり前のように手伝ってくれた。そして美味しいを連発しながら即席雑炊を喜んで食べてくれる。後片付けを済ませたあと、ネットを観ながらどんなヘアスタイルにするか相談して、思い切ってボーイッシュだけれど大人っぽいショートカットにすることで落ち着いた。そう決まると最後までショートにすることを反対していた西島も、手際良く用意をしていく。キャビネットの上に大きな鏡が置かれる。その前に置かれたイスに座るように促され、美容院でカットしてもらうのと同じように首周りにタオルが当てられ、ケープを被せてくれる。よくここで姪っ子やお姉さん夫婦、お姉さんの旦那さんのお子さんのカットをさせられる、と笑った。時々はボランティアで老人ホームなどに出向いてカットなどをすることもあるんだという。手際良くブロッキングされ、カットが始まる。時々鏡に映る普段とは全く違った表情で作業していく西島。

「カッコイイね。こういうことしてる西島って」

「こういうことしてる時だけですか?」

「うん。そういうこと言わなきゃカッコイイけど、そういうこと言ってくれないとアンタじゃない気がする」

「なんですか、ソレ。でも、惚れました?」

「うん、惚れた」

「それはよかった」

そんな軽口を交わしながらどんどん短くなっていく私の髪。

「正直美容院とかって苦手だったのね。美容師さんとの会話が苦手で。だから西島にカットしてもらえるとすごく助かる」

「榊さん、実は人見知りっぽいですもんね。榊さんのためならいつでもカットしますよー」

そうなのだ。だから最初に西島に会ったとき、人見知りなんて言葉知らなそうなコイツがとても羨ましいと思った。

「こんな感じでどうでしょう」

しばらくして、鏡に映っていたのは今までとまったく違う自分。

「うん、なんか想像してたよりずっといい。正直ここまで短くしたことなかったから不安だったんだけど」

「えー?オレの腕が不安だったんじゃないんですか?」

「うん。それもあるけど。ねぇ、どう思う?可愛くなった?」

振り返って椅子の後ろに立つ西島を見上げる。

「…超可愛いです。オレも想像してた以上に似合ってると思います」

「ねぇ、その間はなぁに?」

「いや、あまりの可愛さに惚れ直したというか、さらに惚れたというか…」

「ほんとに口がウマイよね」

「いや、ほんとですよ。超可愛いですって。もうこのまま押し倒したいくらい…」

「さっき出したくせにどんだけ元気よ?でも、ありがとう。西島にカットしてもらってよかった」

西島のシャツを引っ張り、顔をこっちに引き寄せて頬にキス。西島もオデコにキスをくれた。典型的なバカップルだよなぁ、とどこか冷めた自分もいるくせに、なんとなく幸せな気分も否定できなくて。


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