第1章-1
エリカの高層高級マンションの中で
社長の幸彦はベッドの中でエリカを昼間から抱いていた。
薄いピンク色の洒落たカーテンが少し揺れている。
どこからか少しの風が部屋の中を訪れて・・
それが部屋の中を流れ、甘い香りが漂っていた。
エリカが選んだ香水は、仄かに微かに部屋の中で淀んでいた。
その切なくフェロモンな甘い香りが、彼の性的な興奮を誘うようである。
エリカは彼との戯れのなかでは、よくこのイタリア製の香水を使っていた。
心憎いようなエリカの演出である。
その匂いは無香であるような、ないような不思議な雰囲気を醸し出している。
幸彦は、その香りがどこからくるのか分からない。
ひょっとして、エリカの柔らかい耳たぶからなのか
陰部にさり気なくふりかけた香水が、エリカの若い体温で温められてくるのか。
ある時などは、クリトリスを舐めたとき、僅かに付けたフェロモンの甘い香水の香りがし
思わすそこへ頬を付けたこともある。
または、ベッドのどこかへさり気なく振りかけたのかは定かではない。
しかし、こういうさり気ないお洒落をする女は余りいない。
そういう大人の女の粋なセンスが、幸彦は好きだった。
その優しさと、後で分かる厳しさを併せ持つのがエリカでもある。
二人の男女は全裸で、局所を密着させ、ピタリと太股をクロスしていた。
女の柔らかい肉の感触を、幸彦はペニスで直に感じていた。
女は感じているとき、ピクピクと膣の中の肉を小刻みに動かす
その微妙な感触に彼のペニスは痺れ、堪らない快感がじわじわと訪れる。
どん欲で好色な幸彦は沢山の女を経験していた。
ひいきにしている料亭の女将や、クラブのママ
高級クラブのホステス等・・・
それぞれの女と関係を持ち、女達にはそれなりに味があった。
しかし、そのなかでも、エリカは最高の女である。
美しい上に、これ程の感度の良い女はあまりいない。
幸彦は、もう五十代も半ばを過ぎようと言うのに、お盛んである。
この歳にしては、精力が旺盛と言っても良いのかも知れない。
さきほどからの熱いバトルで彼の額の汗が噴き出ていた。
(ふぅぅ・・)
可愛い愛妾をじっと熱い目で見つめながら吐息を漏らす。
彼女を見つめ、幸彦は愛くるしいその顔を手の中に抱き込む。
「あぁん、パパったら、エリカ、苦しいっ!」
「うふふ」