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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-7

「っと」

 向かってきた手足の長い魔物の懐に飛び込んで、すれ違い様に腹に切りつけ背後に回った所で剣を逆手に持ち替えて首筋に止めを刺す。
 剣を抜くと魔物の血が吹き出し全身を濡らした。
 休む間も無く、両側から亥頭が突っ込んで来るのを前に飛んで回避。
 片手で地面をついてくるりと回ると地面に着地し、その足で1匹の後頭部に回し蹴りを叩きこみ、もう1匹は剣で首を跳ねた。
 返す刀で地面に倒れ込んだ1匹目の背中を刺してグリッと捻る。

『怖っ』

 キャラの容赦ない戦いぶりにグロウは援護しながら舌を巻く。
 グロウは手の平から金色の陽炎を出して鞭のように振るっていた。

「右」

 チラリとグロウに目を走らせたキャラは、よそ見するなとグロウに忠告する。

『おっと』

 グロウは右手を軽く振って陽炎を操ると、飛びかかってきた鳥型の魔物を絡めて地面に引きずり落とし頭を踏み潰した。

「姐さん!!蜘蛛野郎が来ました!!」

 ファンの兵士の声に振り向くと黄色と黒の縞模様が見える。

「近くで見ると益々でかいなぁ」

 キャラは袖で顔にこびりついた血を拭うとボソリと呟いた。
 その呟きが聞こえた訳ではないだろうが、蜘蛛の体から白い刃が吹き出す。

「わったっっ」

 慌てて避けて地面に転がった所に次の刃が迫った。
 体を捻ってなんとか直撃は回避したが、ひとつに括っていた髪が根元から切り取られる。

「!!」

 短くなった髪がバサリと顔にかかり、キャラは地面に倒れこんだ。

『キャラ!!』

 グロウはキャラを小脇に抱えてその場から離れる。

『当たったか?!』

 背後の地面に次々と刺さる刃を避けながら、グロウはぐったりしているキャラに怒鳴った。

「いや……髪からごっそり魔力吸われた……」

 どうやら白い刃には魔力を吸い取る力があるらしい。

『ちっ……魔力持ち!!刃に触るなっ!!魔力吸われっぞ!』

 グロウの怒鳴り声に何人かいた魔力持ちが退き、仲間が間に入ってガードする。

『っつ……獣型ならもちっと速く走れるんだがな……』

 溶岩石がゴロゴロ転がっている地面は何とも走り難い。


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