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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-6

「なんとかしてやりたいなぁ……と思ったのは確かだがな」

 想いが伝わらない、伝える術が解らないのはかなりもどかしいだろう……頭を掻いたアースはキャラに笑った。

「……やっぱり甘い」

「人の事言えねぇって」

 さっき殴った時平手だったくせに、とアースは益々笑う。
 言われたキャラは微妙に視線を反らした。

「なんか構いたくなるんだよな」

「だろ?」

 きっとあの冒険者も似たような感じでちょくちょく話かけたりしているのだろう。
 特な性格だと思う……アースとキャラは肩をすくめてこの話題を打ち切ると、戦いの準備を始めた。

 ケイが奇襲チームに、デレクシスが城に行っている間にも魔物達は攻め上がってくる。

「グロウ、キアルリアを頼むぞ」

『おう』

 別行動をとるアースに返事をしたグロウは人型になっていた。
 見た目はアースそっくりでまるで双子のようだが、年齢が若い。
 多分、アースが20歳ぐらいの時の姿だろう。
 キャラがアース無しで行動するとザギに囮だとバレてしまうので、敵の目を欺くために人型になったグロウがキャラと行動を共にする事になった。
 グロウが人型をとれるようになったのは最近の事で、キャラも知らなかった。
 オーウェンに教えてもらって人型になる訓練をしていたのだが、いざ出来るようになったらその姿はアースそっくりで、この姿でキャラの前に現れるわけにも行かず黙っていたようだ。

『やっぱり、同じ生き物なんだと痛感した……ま、役に立たったがな』

 そう言うグロウのお尻には揺れる尻尾……どうやらまだ訓練の必要があるみたいだ。

『っと……来たぜ』

 グロウの金色の目は敵の姿を捉える。

「っし!気合い入れろよ!!」

 キャラが剣を持った腕を突き上げると、おおっと背後から雄叫びがあがった。

 ついに決戦。

 攻めてくる魔物は姿形は様々……人型だが異常に手足が長く頭が小さい一つ目のもの、亥のような頭を持つでかい図体のもの、こういう人型のタイプのものはそれぞれボロボロの武器を所持していた。
 他には獣タイプ、鳥のような飛行タイプ、昆虫タイプ……まるで魔物の品評会のようだ。

「であぁぁぁっ!!」

「っしゃあっ!!」

 あちこちで声が上がる度に血が吹き上がる。
 それが相手の血か味方の血か考えないようにしながら、キャラは出来るだけ目立つように戦う。


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