君のいる景色 -11
「なんか余計疲れそうな予感……」
「お前……いつの間に予知能力を身につけたんだ?」
アースがいかにも驚いた、という顔で返したので2人は同時に笑いだした。
「……んっ……はぅ……アース……」
温泉を見つけた途端にキャラの服を剥ぎ取ったアースは、噛みつくように荒々しく唇を合わせる。
頭では理解したが、感情の方は嫉妬の炎がメラメラと燃えているのだ。
「……は……先に入っとけ……風邪ひく……」
欲情で荒くなった呼吸をなんとか抑えてアースはキャラの頬を撫でる。
小さく頷いてアースから離れたキャラは、まとわりついている服を脱ぎ捨て温泉に足から入る。
少し熱めのお湯がじっくりと躰に染みて緊張がほぐれていった。
(いくら何でも泣きすぎ……)
あの場には部下であるファンの兵士も居たし、カイザスの王子デレクシスも居たのだ。
いつもなら自制心が働くのに、アースの姿を見た途端に罪悪感と安堵感が爆発してしまった。
アースにはいつもペースを掻き乱される……が、それが心地よく感じてしまうのだから困ったものだ。
「湯加減はいかがですか?姫?」
冗談めかしたアースの台詞にキャラは振り向いた。
すぐ後ろに居たアースは再びキャラの唇を奪う。
「んんっ」
無理矢理ねじ込まれた舌はキャラの口腔内で暴れまわる。
後頭部を押さえられ腰を強く抱かれて身動きが取れない。
「ん゛ん〜!!」
あまりにも激しすぎて息が出来ずにキャラはアースの背中を叩いた。
「んはぁっはっはっ……はっ……」
唇は離してくれたが、空気を貪るキャラの躰中を撫で回す手は止まらない。
「……なんでエンなんだ?」
「はぅんっ」
アースはキャラの乳首を摘まんで問いかけた。
「あっあぁっ……」
首筋に口付け乳首を弄び、弱い背中を手が往復する……問いかけに答えられる余裕はない。
「なぁ……なんでエンとヤるような事になったんだよ?」
しつこく聞くアースに、キャラは気力を振り絞ってなんとか答えた。
「あ…エンさんの……あうぅ……魔力切れちゃって……提供してたら……あぁんっ」
「ふーん……あいつヘタだったろ?」
リンに詳しく聞いた事があるのでわかる。
「んっ……も……最悪」
2度としたくない、と言うキャラにアースは喉を鳴らして笑う。