野生の悪魔が現れたっB-5
修一の到着に彼女は頬を赤くし、歩み寄る。
「ど……どうぞ……」
敦子はスーツの内ポケットから、箱から出された状態のゴムを差し出す。
「では……」
「待て待て待て」
その場を去ろうとした敦子は足を止めざるを得ない。
「早速使うって言っただろ?」
「しょ、正気っ……ですか……?」
修一は不敵な笑みを浮かべて敦子への返事とした。
綴ら状態のゴムの束を伸ばすと、帯のようなビニールが切り取り線で六個に区切られている。
「こんだけ? 明日十箱くらい纏めて買ってこいっ。役立たずっ」
気の利かなさに呆れながら、花梨にさせようと思っていたことを口走る。
それに気付き、しかし撤回はしなかった。
花梨にはもっと恥ずかしい目に遭ってもらうため、この程度の恥辱を実行するのは誰でもいい。
「は、ぃ……すみません……」
敦子の返事を聞きながら彼は一つを千切り、残りをポケットへ押し込んだ。
「今から俺の性処理に使われるんだ。気分はどう?」
「………………」
「正直に言ってみろ」
「許して……止めてっ。欲しいです……」
「だろうな」
敦子の顔にはありありと嫌悪が見て取れる。
優子の時は羞恥や快感といった、性欲を刺激する事象があったため上気の様相が見られたが、敦子はただゴムを渡し、性処理を宣言されただけである。
発情に至るには刺激が足りない。
「スカート上げろ」
「ッ……はい……」
敦子は何故か逆らえず、歩み寄ってくる修一を不安げに見ていた。
「足開け」
「は、はい……」
彼女が軽く足を開いたのを確認し、修一は当然のように秘部を撫で上げた。
「ひゃッ、止めてくださいっ」
たまらず敦子はスカートから手を離し、身を屈める。
「俺のやることを拒絶するな。されるがままでいろ」
冷たい視線が敦子を見下ろしている。
「続きだ。さっさと立て」
「……はぃ…………」
敦子は力なく立ち上がり、スカートを捲り上げ、クロッチを蠢き始めた指に今度は何もせず耐えていた。
「やっぱり濡れてないな……」
一人呟き、修一は手を離す。
そして軽く頭を捻った。
「敦子、そのまま濡らしてみろ」
「え? あ……はい……」
命令には肯定しか示せないが、到底無理な話だ。