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Crimson...Side story
【ファンタジー 恋愛小説】

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おまけ-2

「“作った”の! そんなに疑わなくてもいいじゃない」


 拗ねるよ? 拗ねていいよね? それとも怒るべき?
 そんな私の心情を読んだのか、ヒューイは申し訳無さそうな顔をする。


「いや、ごめん。“作れる”とは思ってなかったから」


 そんなこと言われると、なんかスッゴク自分が情けなくなっちゃうんですが……?
 やっぱり拗ねるべきか? 怒るべきか?


「もういいよ。はいっ」


 持って帰ってきた紙袋をヒューイの胸に押し付けて、一歩下がった。


「開けるよ?」


 何か悔しいから、返事しなった。拗ねてやる。
 受け取った袋から小さなビニールの袋に包装したソレを取り出して、一瞬動きを止めた。さらに袋から出すと一つ口に入れた。


「…………、直火で溶かそうとしただろ」

「う゛」


 バレた。
 リーちゃんにもすぐさま止められたけど、もう材料が無かったからそのまま続けたんだよね。


「ありがとう。初めてだな、リアナからの“手作り”ってのは」


 笑ってくれた。いつも、して貰ってばかりだもんね。喜んでくれたけど、決して“美味しい”とは言わなかったけどね。…………そういうとこ、シビアなんだ。


 まあ、それから休みの日は料理の特訓が始まった。『やる気があれば出来る』なんて言われて、叩き込まれる羽目になった。その上、ホワイトデーのお返しに大好きなアップルパイを作ってくれたけど、その完璧さにやるせなくなった。

 今度こそ、絶対に“美味しい”って言わせてやるんだから!


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