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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則C-5

『あたしさ、その好きな人に早く追いつきたいの。いろんな意味で、その人とは差があるから。

その差を埋めたいから、とりあえずいまできる努力はなんでも全力でやりたい。もしかしたら、その努力が何かに繋がるかもしれないし』

『….いや、ていうか….ただの負けず嫌いなだけなんだけどね!それにその人って、あたしのことなんてホント目もくれてないみたいなかんじで!だからあたしがよそ見なんてできる訳ないっていうか!』



どんどん気恥ずかしくなっちゃって最後はあえにやけながら話しちゃったせいか、健吾もいつものおざなり返事に戻ってしまった。



でも….



健吾はいままで、あたしなんて眼中になくて。

だからあたしはいままで、健吾の邪魔にならないように想ってきた。想っていただけだった。

なんていうか….



(気もちを伝えるのって、恥ずかしいけどうれしい….)





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その日から、健吾が以前見せた、くしゃっとした笑顔をよく見るようになった。

その時の健吾は、必ずあたしの目をちゃんと見つめる。

さいしょはその視線にドキッとするのだけれど、やはり瞳の奥の表情はどこか寂しげな気がして。

心境を覗こうと思っても、心臓が外側から圧迫されるような、締め付けが残るだけだった。


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