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スプーン・ポジション
【女性向け 官能小説】

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隣のオンナ-5



次の仕事が見つかるまでの繋ぎ。


そんないい加減な気持ちで働いているから、今日みたいに配達の途中でも平気でサボれるし、ぶっちゃけ罪悪感もあまりない。


だから―――こんなふうに同情めいた気を使われると、素直に嬉しいと思えずに、「かえって面倒くさい」と思ってしまう。


仕事を失ってからというもの、自分がどんどん内側から腐っていくのがわかる。



「早くちゃんとした仕事見つけねぇとな……」


気持ちは焦ってはいるが、現実はうまくいかない。


俺は冷蔵庫からビールを二本取り、寺島の善意を無造作に電子レンジに放り込んだ。


温めスイッチを押し、居間の小さなテーブルの前に座って借りてきたDVDを取り出す。


「―――まずはこっちから、元気ださなきゃなぁ」


冗談ではなく、切実にそう思う。


今日は「久々に勃った」というだけでも、俺にとってはかなり精神的な進歩だ。


他人が聞いたら笑うかもしれないが、何を見ても、何を聞いても、下半身が全く反応しないという事態は、経験してみるといかに怖いことかということがわかる。


俺はふにゃふにゃしている己の愚息を激励するようにぎゅっと押さえてからDVDレコーダーにディスクをセットし、リモコンの再生ボタンを押した。


女優の悩ましい表情を集めた短いオープニングが終わり、本編が始まった。


改めてじっくり見ると、主演女優の安っぽい顔はあの「ユウキ」という女のイメージからかなりかけ離れているように思う。


あまり顔は見ないようにして、これはあの「ユウキ」なのだと思い込むことにした。


ストーリーが始まるやいなや、上司役の男が女にセクハラを始めた。


脚立の上で作業させて下からスカートを覗いたり、肩を揉むふりをしながらおっぱいを触ったりと、まさにやりたい放題。


『―――今日の男も、上司っぽかったな……毎日アイツにこんなことされてんのかな』

そう思ったら下半身が少しムズムズしてきた。


『……ダメです……やめて……やめて下さい……』


ついに女は倉庫のような場所に連れ込まれ、上司に謎の身体検査をされ始めた。


『私のパソコンからデータを盗んだのはお前だろ』


どうやら女は産業スパイの疑いをかけられているらしいのだ。


『あのメモリーカードをどこへやった』


上司の手が服の上から女の胸や尻を撫で回す。


『あっ……あぁっ……私何も知りませんっ……』


ブラウスのボタンが外され、ピンクのブラジャーに包まれた乳房が見えた。


『……いい身体してるじゃないか……』


もはや身体検査はどうでもよくなって、上司は性欲に走り出した。


『いやっ!やめて下さいっ』


壁に身体を押し付けられてスカートを捲りあげられる女。


ストーリーとしてはまだサワリの部分にもかかわらず、俺の中に再び強烈な興奮がわき上がってきた。





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