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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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カウントダウン-5

『グギュゥ……』

 アビィの喉から物凄い声が出たが、エンに止める気はないようだ。

「んくぅ……っ」

 ズルンという感触と共に炎が出ていき、同時にエンも唇を離す。

「ごちそうさまぁ〜」

 ペロンと自分の唇を舐めたエンの顔色は、すっかり元通りになっていた。

「はっ……はっ……ホント……ヘタ……」

『キュゥゥゥ〜』

 キャラはぐったりと床に倒れ込み、キャラの腕から転げたアビィも四肢をなげだしてぐてんとなる。

「あはは〜ゴメンねぇ?」

 笑い事ではない……体内を炎が這いずりまわるのはかなり気持ち悪い。
 『アンタにだけは魔力を吸われたくない』と言ったリンの気持ちがわかった。

「おかげで元気になったよぉ〜ありがとう〜」

 エンはキャラの髪を撫でて顔を覗き込みながらニコニコ笑う。

「……なら……いいですけど……もう……二度と分けま……せん」

 床から起き上がれずにいるキャラは、下からエンを睨む。

「酷いなぁ〜誘ったのはキャラなのにぃ〜」

「変な言い方……っ」

 言い返そうとしたキャラの口が、エンの唇に塞がれた。
 魔力を分けてもらうわけではないキスを何度か繰り返したエンは、そっと唇を離す。

「……あれぇ?抵抗しないのぉ?」

 キャラの左手に指を絡ませて頬にも口付ける。

「……不安ですか?」

 キャラの台詞にエンはギクリと固まった。
 エンは誰よりもアースと過ごした時間が長く、兄弟のように育ってきている。
 アースが魔獣に変化した時も、震えていたのを知っている。
 キャラはエンの頬にそっと右手を添えた。

「それでエンさんの気が紛れるなら……良いですよ?」

 はだけたガウンから覗く胸に視線を移したエンはゴクリと生唾を飲む。

「エンさん?」

 優しく呼びかける声に……エンの理性の糸が切れた。

「んっ……」

 噛みつくように唇を重ねてきたエンの首に腕を回したキャラは、全てを受け入れようと自らもキスを返す。


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