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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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カウントダウン-24

「待て待て!!心の準備がっ!!ぐっ!!」

 アースの台詞の途中でミヤは口に布を突っ込んだ。
 そして、肩の包帯を乱暴に剥ぎ取り、右腕の封印を解く。

「ぎぃっ!!」

 問答無用で始まった治療にアースの喉から何とも言えない声が漏れ、体が大きく跳ねた。

「ぐっう!!あ゛ぐっっう゛ぅっ!!」

 大の男をはね除ける勢いで暴れるアースを男達は必死になって押さえつける。
 骨が軋み、筋肉の筋が伸びる……千切れた腕と肩の組織が絡み合い繋がっていく様は、見ていてかなり気持ち悪い。

「ぎっがぁっぐぐぅう゛っっ!!」

 肩に細い無数の針を連続で容赦なく刺され続ける様な痛みと、ズンッズンッと脈動して全身を襲う激痛……いっそのこと気絶したいのだが痛すぎて気を失う事も出来ない。
 どれぐらい時間がたったのか……長いような短いような不思議な感覚が続き、最後に大きく跳ねたアースの体が動きを止めた。

「あ゛……ぐぅ……は……」

 胸を上下させて空気を貪ろうとするアースの口から、ミヤが布を外す。

「はあっ……はぁ……ふ……くは……」

「良く耐えましたわ。少し寝て……目が覚めたら動かしてみましょう」

 ミヤは汗だくのアースの額に張り付いた髪を撫で上げ、そこにキスを落とした。
 どうやら治療が終わったらしく、アースを押さえていた男達はぶはぁっと息を吐いて地面に座り込む。

「……壮絶……」

「まったくだ……」

 魔法治療は早く治るかわりに、普通の治療の何倍もの痛みを伴う……麻酔をすればいいのだが、魔力を大量に消費するのであまり使わないらしい。
 もし自分が大怪我をしたら、魔法治療は遠慮しよう、と男達は心に決めた。

「はっ……はっ……キアルリア……は……どう……してる?」

 荒い呼吸の隙間をぬうように途切れながら聞いてきたアースにミヤは優しく微笑む。

「ショック状態でしたが立ち直りましたわ。今、全体の指揮をとってます」

「そっ……か……」

 体を固定していたベルトが外され、呼吸が楽になる。
 今ならエンもベルリアも居る……彼らならキャラをしっかり支えてくれるだろう。
 安心したアースは目を閉じて眠りに落ちた。


 ファン上陸まで後3日。


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