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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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カウントダウン-17

「……意外な特技ですね……」

「まあね♪」

 そういう事ならばと、キャラはイズミをクローゼットに連れていった。
 ドレスを脱いで下着姿で服を物色するイズミにキャラはズボンを何着か渡す。
 イズミはキャラより細身で小柄だが裾を曲げればなんとかはけるだろう。
 細いブルージーンズを選んで、それに白いシャツを着て、細いベルトで押さえた。
 鏡で全身をチェックして満足したイズミはキャラの手を取る。

「?」

 キョトンとするキャラを引っ張って鏡台の前に座らせたイズミは、キャラの髪に手を触れた。

「結ぶんでしょ?多少動いても乱れないようにしてあげるわ」

 クシでキャラの髪を梳いて、手際よくちゃっちゃと編み込みをいれ、何ヵ所かピンで留めるときっちりとひとつに結ぶ。

「ありがとうございます。器用ですね」

 キャラはこういう事は苦手で自分でやるとなると時間がかかる。
 イズミはにっこり笑うと自分の髪も三つ編みにしてゴムで括った。

「さてと、医務室に連れていって。サポートは任せて、キアルリア姫は思いっきり暴れてきてちょうだい!」

 ただのお姫様かと思っていたイズミは、本当に意外なのだがかなりのしっかり者でキャラは驚いた。

「イズミ姫のイメージ変わっちゃったなぁ……」

「お互い様よ」

 顔を合わせて笑い合った2人は部屋から出て医務室に向かう。

 医務室にいたミヤにイズミを紹介すると、とても助かると喜んだ。

「サイラは医療技術に長けてますもの。そこの看護師資格なら信用できますわ。よろしくお願いしますね、イズミ姫」

「姫は省いて下さい。患者さんが萎縮していまいますわ」

 医務室のスタッフにイズミを紹介して道具などの場所を説明してくれ、と頼んだミヤはキャラに向き直る。

「姫様、アースの腕は大丈夫ですわ。封印して時間を止めてありますので、いつでもくっ付けられます」

 ミヤの言葉にキャラは微笑んで頷いた。

「学長……ベルリアさんは?」

「ラインハルト王の許可を貰って城を囲む結界の魔方陣を設置しています」

 道案内にはキャラの爺さんがついて行ってるらしい。
 あの2人がどんな会話をするのか想像するだけで可笑しくなる。
 キャラの笑顔に安心したミヤは微笑んだ。

「じゃあ、こっちはお願い。私は広間の馬鹿共に気合いを入れてくる」

「……手加減して下さいね」

 まるで広間の人達に同情するような言い方に、キャラは笑って手を振りミヤに背を向ける。


 広間に入ると各国の王様達がテーブルを囲んで話し合っていた。
 キャラに気づいたグロウが近づいてくる。


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