17才の花嫁(第5章)-1
祐太は山城貴子からの電話に出た。
「はい、阿部です」
真剣な表情で話しているようすだった。
「俺…好きな人が出来たんだ。ごめんな」
祐太はそう言うと電話をOFFにした。
「山城先生、どうしたの?」
智花は尋ねた。
「食事に行こうと誘われたけど、断ったよ」
「そうなの…。山城先生は美人だったなあ」
「美人でも…俺には君がいるから…」
「祐太…」
「智花さん、結婚してください」
突然の申し込みに、智花は戸惑った。結婚なんて考えてもいなかったのだ。
「私…まだ高校生だし…」
「智花さん、聞いてくれ。君はたしかにまだ高校生だけど、早すぎるとは思わない。俺は、俺は、君が大好きなんだ。幸せにしたい」
祐太の言葉は、智花の胸に響いた。