都会の光-8
ゴスペル隊や、音楽の演奏が始まり、盛り上がる。
そして、高橋さんが出てきた。
今回のツリーのテーマや、今後の活動などの話をする。
そして、いよいよツリーが点灯される。
さっき見た、女性タレントさんが舞台にあがる。
司会の人のカウントダウンが始まり、周りのライトが消され、タレントさんにスポットライトが当たる。
「3・2・1・どうぞ!」
ツリーがきらきらと輝きだし、周りから感嘆の声が零れる。
「すごい…綺麗…」
「お気に召していただけたかな?」
突然後ろから声がして振り向くと、高橋さんが立っていた。
「はい、本当に綺麗です!今日は本当にありがとうございます。」
「なら良かったよ。里見さんも折角の旅行、急にお誘いしてすみません。」
高橋さんが控えめな笑顔で言う。
「いえ、こちらこそいいもの見させていただきました。ありがとうございます。」
高橋さんと大輔くんが握手をする。
高橋さんが大輔くんに何か言うと、大輔くんがゴソゴソと何かを取り出す。
名刺っぽい。
「じゃあ、由梨ちゃんまたね!」
そう言って高橋さんは別のテーブルに移動した。
「高橋さん、すごいよなー。芸能人って堅くなる感じもしないし。来週福岡に行く予定だから時間が合えば飲もうってさ。」
「だから名刺を渡してたの?」
「あぁ。高橋さん、由梨には教えたけど、警戒してメールしてこないだろうからってさ。」
大輔くんが笑いながら言う。
高橋さんきっと根に持ってる。
イベントが終わり、会場を出ると目の前に観覧車が見えた。
横浜のみなとみらいの観覧車が綺麗に見えるところ。
少し移動すると、大輔くんが急に立ち止まる。
「どうしたの?」
大輔くんの顔が真顔になる。
息ができないくらいドキドキして、寒さも忘れてしまう…