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睦子
【その他 官能小説】

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第四章 もてあそぶ-3

「睦子。君が僕への思いを、本当の思いを話してくれるなら、思い留まってもいいよ。」
「あなたへの思い?」
「そう、その全てを話してくれるならね。」
「全てを話せば・・・思い留まってくれるの?・・・賢治さん優しいのね?」
「ああ、約束する。」

約束を守る気などさらさらなかった。ただ、もう少しの間、最後の一線を越えず、睦子をもてあそぶつもりだった。

そして、約束はもう一つの意味を持っていた。約束をすることで、睦子はこの先、罪悪感を覚える度にそれをより所にし、なによりも大切なものとして守って行くはずだ。
それでこそ、最後の一線を越えることが最高の快感に繋がる。睦子の守るものを一つずつ奪い取り、最後の一線だけが、睦子の全てとなったその時に、睦子を貫き、絶望の中で女の性を思い知らせてやることができるのだ。

睦子を抱き寄せて、唇を吸ってやる。

「全てを話すのね? あなたへの思いを・・・」
「ああ、男性としての僕をどう思う?」
「素敵よ。舞より早く出会いたかったと思うほどよ・・・」
「抱かれたいと思ったことは?」
「・・・いけないと分かっていたけど・・・今も・・・本当は・・・」
「抱かれたい?」

長い沈黙を経て、睦子はゆっくりと頷いた。

「僕が欲しいと言ってごらん。」
「ああ、そんなこと・・・」
「全てを話す約束だ。」
「ああ、賢治さんに・・・抱かれたい・・・
だけど、その思いは舞が、ん、んんん・・・」

睦子の言葉を遮り、舌を強く吸ってやる。表向きの話など聞きたくもない。余興はもう十分だった。

「舞と僕の行為を覗いていたね?」
「!!!!!!」
「昨日も僕が一人でするのをずっと覗いていた。」
「!!!!!!」
「そして、僕が一人でするのを覗きながら、自分の体を弄ったね?」
「どうしてそれを・・・・」
「全てを話す約束だ。」
「・・・あなたの言う通りよ。」
「僕が舞にしたことを、自分にしてもらいたいと思った?」
「ああ、ごめんなさい。」
「僕にされることを想像して体を熱くした?」
「ごめんなさい、あなたを愛してしまったの・・・」
「思い留まったとしても、僕は帰って、昨日と同じようにするよ。」
「・・・・・」
「そうすれば、君も昨日と同じことをするね?」
「私、どうすれば・・・・」
「睦子だけが覗いて、ずるくないかい?」
「!!!!!!!」
「だから今日は・・・僕が覗かせてもらうよ。睦子が自分で体を弄るところを・・・」
「あああ、許して、おねがい。」
「それが思い留まる条件だ。」

言い終わると俺は車を走らせた。行き着く先は、睦子が逃れることのできない、二人だけの空間だった。睦子が背もたれにぐったりと体を預け、瞳を閉じている。色んな思いで考えが纏まらないのだろう。

しかし睦子はまだ気づいていない。俺を思い留まらせたことを後悔することを・・・

続く


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