序章-1
目を覚ますと、いつもは無い温もりが横にあった。
(本当に来てくれたんだ……よな……)
キャラは間近にある黒い髪の男の寝顔を指でつついて微笑む。
確かに、離さないと……迎えに行くと約束してくれたが、正直言うと疑っていた。
それぐらい、自分の身分は厄介だし自慢できる経歴でもないのだ。
なのにこの男……アースは約束通り迎えに来て、それ相応の身分を手に入れたうえに、プロポーズまでしてくれた。
姫である自分にとって夢にまで……見てはいないが、不可能と思っていた恋愛結婚。
(あ……ダメ……顔が笑う……)
左手の指輪が目に入った瞬間、勝手に顔が弛んでしまって困惑する。
女の幸せというものにまったく興味がなかったくせに、ここまで喜ぶとは……自分が信じられない……。
あまりにもキャラが横でごそごそと悶えるので、さすがにアースも目を覚ました。
「あ〜…おはよう……キアルリア……」
アースは寝ぼけたままキャラを抱き寄せると、適当な所に口付ける。
「ひぁっうっ」
キャラがすっとんきょうな声をあげたので、しっかり目を開けて見るとキスをした場所は背中……キャラが弱い所だ。
面白がって舐めるとビクリと反応して、逃げようとジタバタしはじめた。
更に背骨を伝ってツツツ〜と舐め上げれば、躰を反らして硬直する。
「!あぁんぅ!」
「朝っぱらからヤらしい声だなぁ」
「だっ…あっやぁっ」
言い訳しようと口を開けても、そこから洩れるのは喘ぎ声。
アースはキャラの躰に回した手をさわさわと動かしてまさぐり始めた。
「ちょっと……あぅんっ……ふぅ……」
昨夜、散々愛された躰はたったそれだけの愛撫で簡単に火が着く。
体内に残った夜の名残が、新たに溢れ出した愛液に圧されて逆流した。
「ヤりたい」
アースは後ろからキャラを抱きすくめ、左手で胸を揉みしだき、右手で溢れた液体を指に絡めて卑猥な入り口を擦る。
「あっうぅっ…何回目だと……思っ……」
「6回目。まだ足りねぇ」
間髪入れずに答えたアースの指が淫核を捉えた。
「うくぅっっ…」
「いいだろ?」
耳元で囁いてカプリとその耳を甘く噛む。
ズクンと子宮が震えて躰がアースを求めて疼いた。
キャラは答える変わりに躰を捻って腕をあげ、耳に噛みついているアースの頭を掴んで引き寄せる。
結構、無理な体制で唇にキスをすると、潤んだ緑色の目で挿入を促した。