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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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序章-3

「っあん」

 抜かれる時にも肉壁を擦られ思わず声が漏れる。
 アースはキャラに布団をかけると自分はズボンを履いて寝室のドアに手をかけた。

ガチャ

「「うわっ」」

 内側に開くドアを開けると、声と共に双子の兄弟が崩れ落ちてくる。

「兄様方!?」

 どうやら2人してドアに張り付いて聞き耳をたてていたらしい。

「おはようございます。ラインハルト王、ギルフォード殿」

 無表情で2人を見下ろしながらアースは朝の挨拶をする。

「「お…おはよう……アース殿、キアルリア……」」

 2人は声を揃えてしどろもどろに返事をしながら体を起こした。

「何か?」

 態度は普通だが、邪魔すんじゃねぇ、というオーラがアースの体から発散されている。

「一応ね、独身の姫が男を連れ込むのは感心されない行為なんだよね。だから、アース殿には隠し通路からこっそり出てってもらおうかなぁなんて思ってるんだけど」

 今更、2人の仲を反対したりはしないけど体裁もあるのでひかえてもらいたい、とラインハルトは伝えた。
 寝起きで頭がハッキリしてなかったアースは、ラインハルトの言葉にふと我にかえる。

「ああ……申し訳ありませんでした。以後、気をつけます」

 きまり悪そうに頭を掻いた後、脱ぎ散らかした服を身につけたアースはキャラの頬にキスをして部屋から出ていった。
 ギルフォードは隠し通路を教えるべく、アースの後を追いかける。
 のんびり2人を見送るラインハルトに向かって、キャラは枕を投げつけた。

「おっと」

「用が済んだなら出てって下さい」

 難なく枕を受け止めたラインハルトに、布団で体を隠したキャラは顔を赤くして文句を言う。

「なんでだろうな?」

 キャラから目をそらさずにラインハルトは首を傾げた。

「は?」

「ゲイなのは確かなのにキアルリアの躰には魅力を感じるんだよね」

 ラインハルトはまじまじとキャラの躰に視線を貼り付け、キャラは更に顔を赤くして花瓶を手に取る。

「とっとと出てけぇ!!」

「うわっ」

バンッ ガシャーン

 ラインハルトは慌ててドアを閉め、直後に花瓶が激突した。
 隠し通路から外に出たアースの耳にもその怒鳴り声と音は聞こえ、いったい何をやってるんだ……と一度キャラの部屋を見上げてから街へと足を向ける。

 その後、風呂に入って身なりを整えたキャラは、けじめをつけろとギルフォードに怒られた。
 確かに浮かれすぎたと自覚のあるキャラは小さくなる。


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