追憶の日記から-13
「彩乃は・・・奈津子のことを好きになってくれたのね・・・」
お姉ちゃんが、急に優しく囁きました。
「ずっとずっと好きだったよ」
「そうじゃなくって・・・奈津子のココから出るのを欲しいって思ってくれたんでしょ?」
「そうなの・・・どうしてこんなにお姉ちゃんが欲しいのかしら」
「奈津子が、彩乃の全てを欲しがる気持ち・・・分かってくれた?」
お姉ちゃんは私の唇に付いた自分の蜜を指でなぞりながら、
「奈津子はもう彩乃のものよ・・・呑んでいいのよ。彩乃に奈津子のオツユを呑んでもらえたら・・・うれしい・・・」
お姉ちゃんは、女らしい言葉遣いに帰って私の欲しがるものを与えてくれました。
「おいしいと思う?」
「思う・・・お姉ちゃんのツバもそうだけど、なんだか・・・お姉ちゃんそのものが、あたしの中に入ってくるように感じる・・・」
「奈津子だって・・・こんなこと初めてなのよ・・・だけど、彩乃が好きで好きでたまらなくなってしまうと、自然にこんなことができるものだって、よく分かったの。彼氏なんかいて、セックスの経験がある子の話からいろいろ想像はしてたけど・・・いやあね。何でも知ってるような顔して・・・自分を作っちゃってた・・・恥ずかしいよ・・・」
「だって、お姉ちゃん演劇部だもの」
「無理矢理誘われたのよ。背が高いから男役をやって欲しいって。奈津子、本当は自分じゃない役を演じるなんて好きじゃないんだけど」
「やっぱりそうなんだ。あたしお姉ちゃんの男言葉・・・照れ隠しだなって思ってた」
「いやだ・・・彩乃って鋭いのね・・・そうなの・・・彩乃に嫌われたとき、傷つきたくないって思ったからかなあ・・・」
「お姉ちゃんを嫌うわけないのに・・・お姉ちゃんが、そこまであたしを好きになってくれる方が信じられなかったのよ」
「彩乃・・・奈津子ね・・・彩乃に嫌われたと分かったら、多分死んじゃったかも・・・いつも側にいてくれる彩乃なのに、こうなってからでも・・・苦しかったのよ」
お姉ちゃんの声は優しさに溢れ、さっきまでの男言葉より、私の覚えてしまった欲望を一層激しく刺激するようになっていたのです。
「お姉ちゃん・・・好きよ、大好きよ・・・あたしを信じて・・・あたしの方が、お姉ちゃんより苦しかったかも知れないんだから」
「嬉しいわ・・・奈津子ね・・・今だから言うけど・・・ひょっとしたら彩乃は、女同士がこんなことするのは変だって思っているんじゃないかって・・・ずっと怖かったの。奈津子に無理矢理こんなことさせられたって・・・思っているんじゃないか・・・彩乃が時々来なくなるのは、女同士でこんなこと、イヤなんじゃないか・・・いつか奈津子から逃げ出すんじゃないかって、迷って、迷って・・・」
女らしくなったお姉ちゃんは、泣き方まで弱々しげで、お姉ちゃんからしてみれば、子供っぽく見える私の心が計りきれずに、激しい行為をすることで私の躊躇を断ち切ってしまいたかったのだと、良く理解できました。
「お姉ちゃんが好きよ・・・あたし・・・女らしいお姉ちゃんの方が好きよ・・・」