追憶の日記から-10
しばらくしてそっと目を開けてお姉ちゃんを見上げると、そんな私の顔を食い入るように見つめていました。
「彩乃・・・彩乃のいく顔・・・素敵だね・・・アア・・・やっと彩乃は奈津子のものになったんだわ。彩乃を食べてしまいたいよ・・・ほら・・・こんなに・・・」
お姉ちゃんは、私のソコから離した掌を私に見せました。そして、糸を引いて粘っている指を口に入れて啜ったのです。
「彩乃の蜜・・・おいしいね・・・」
私は恥ずかしくなってお姉ちゃんの胸に顔を押しつけ、イヤイヤをしていると、
「奈津子の触ってごらん・・・」
お姉ちゃんは、今度は私の手を取って自分のソコに導きました。お姉ちゃんのソコは温かく粘っていて、私の手はパンティーとソコの間で泳ぐほどでした。
「彩乃の顔を見ているだけで、奈津子・・・またイッちゃったんだ・・・」
朝、お姉ちゃんと別れて自宅に帰ると、私は切なさで震えが止まりませんでした。今別れてきたばかりなのに、逢いたくて逢いたくて仕方がなくなるのです。
「奈津子ちゃんは、この頃ゾクッとするくらい綺麗になったねえ」
「お父さん、そんな口の利き方ををするんじゃありませんよ」
「でも、そう思わないか? そのうちあの子はモデルか芸能界にスカウトされるんじゃないか?」
「たしかに綺麗だけど、東京にはザラにいるからなあ・・・」
「よく言うよ。勇作、お前奈津子ちゃんに気があるんだろ。そう思わせるような時があるよ」
「変なこというなよ。親父は自分の言ってることがどういう風に思われるか分かっているのかい?」
「なんだいそれは・・・」
「親父さんも男だってことさ」
「あほか」
「でも彩乃はいいよなあ、いつも奈津子ちゃんと一緒できるんだもんなあ」
「二人ともお止めなさいよ。彩乃が聞いたら嫌がるわよ。そうでなくたって、この頃彩乃が少しおかしいのよ。妙に沈んじゃったりして・・・奈津子ちゃんと喧嘩でもしたんじゃないかしら。妙に隣りに気を遣ったり・・・心配なのよ。そういう微妙な年頃なんだから・・・」
私は、家族の会話に聞き耳を立てながらドキドキしていました。母は何か嗅ぎつけているのかしら・・・私は新田家でどう思われているのだろう。
お姉ちゃんのこととなると、身体の隅々までが敏感に反応するようになっていたのです。そして、お姉ちゃんを想うと胸が突き刺されるように痛くなるのでした。ついこの間までは、なんのためらいもなくお姉ちゃんちに行けたのに、もう、私の秘密の場所を知ってしまったし、私のあられもない姿を見て嫌になっていないかしら・・・今夜も一緒にお風呂に入りたい・・・お姉ちゃんに抱かれて一緒に眠りたい・・・でも、どういう顔をすればいいんだろう・・・。
そんなことをあれこれ考えていると、初めてお姉ちゃんに抱かれた日のように、素直にお姉ちゃんちに足が向かなくなってしまうのです。
私は、恋する人の乱れる心を知ってしまったのでした。