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上級悪魔と低級契約者
【コメディ その他小説】

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上級悪魔と下級契約者―俺達は天使じゃない。だから悪魔なんすよ、な、似非戦闘物語―-1

「くそ!」
アンは、そう言いながら体を左に開く。ちょうど今までアンの右半身があった場所を、祝福された銀の弾丸が通り過ぎる。
相手はアンが避けることを予想していたのか、すでにアンの懐まで踏み込み銀のナイフでアンの腹部を狙う。
「まだだ!」
アンは、手に着けていた鉄のサポーターでナイフを弾き、相手との距離をとり、小さく呟いた。
「まだなのか、楓っ」

アンが今、危険な目にあっている理由。それは、実に簡単な理由である。
彼は今、楓と共に日本のエクソシストを統括するための施設に潜入しているのだ。
悪魔である彼がエクソシストの本拠地というべき施設に潜入する。それは、無茶という言葉を通り越して無謀と言うしかないだろう。
下手をすると、5分とたたずに殺されるかもしれない。
なぜ彼がエクソシストの本拠地などに潜入しているのか?
その理由を簡単に言うと…個人情報の流出である。


「ここでも無い…か」
楓は、アンがエクソシストの陽動のために暴れている間にエクソシストの情報が入っているパソコンや書類を探していた。
「…たく、もう本当に面倒くさいな」
楓は、今探していた部屋から出ると、次の部屋を目指す。
「てか、エクソシストにタイムカードはねぇだろうよ。普通」
探偵部の暁からもたらされた情報によると、エクソシストが悪魔払いをする前とその後5ヶ月の間にタイムカードと呼ばれる物に判を押さないと始末屋と呼ばれるエクソシストの特殊部隊が団体で悪魔、契約者、悪魔払いを失敗したエクソシスト全てを生命も社会的にも抹殺しに来るというのだ。
「はぁ、次行ってみるか」
楓は、そう言うと次の部屋のドアに手をかけた。

「さて、次行ってみるか…」
アンは、6人目のエクソシストを気絶させると悠々と歩き始める。
最初は、慣れない銃という現代兵器の対処に手間取ったアンだったがしばらくして慣れるとペースは完全にアンのものだった。
「まぁ、法術的にはあの女の方が…」
「あの女っていうのは真夜の事か?」
アンは、その声を聞きその場から大きく跳び退く。

その瞬間、アンが今まで居た場所が炎に包まれる。
「良く避けたな。その事は褒めてやろう」
「どうも、とだけ言っておくよ」
アンは、そう言うと相手との間合いをとりながら重心を低くとる。
『私が気配を読めなかっただと…』
アンは軽い衝撃を受けながらも、平静を装う。
「お前はあの女の男か?」
「…貴様には関係ないことだ」
男はそう言うといきなりアンの前まで距離を詰める。
「縮地か!」
アン、後ろに跳び退く。男、それを追い間合いを詰めると軽めのローキックを放つ。
アン、それを体を左に開き躱しつつ、牽制のために左のジャブを放つ。
男は、アンのジャブを右手を軽く当て受け流すとアンの懐に入り鋭い踏み込みと共に左肩の裏をアンの体に押しつける。
「オラァ!」
「ぐっ」
アンはその攻撃のダメージを後ろに飛ぶことで殺そうとするが、殺しきれずに軽くダメージを受ける。
「…今のは、中国辺りの拳法というやつか?」
「…」
「…だんまりか」
アンは、そう言うと後ろに下がり間合いをとる。
「悪いが、お前ほど強い人間相手にはあまり手加減できんぞ」
アン、ポケットから何かを取り出す。

アン、その何かをグーで握った拳の親指の上に置き人差し指で押さえる。
「っち!」
アン、その何かを男に向かって弾く。
男、それに一瞬気をとられる。
アン、その隙を見逃さず間合いを詰め体を低くしたところから顎を狙いアッパー気味の拳を繰り出す。
男、避けきれずに顎にアンの拳がかする。
「悪いな、一気に終わらさせてもらう」
アンは、そう言うと、拳から相手に一気に魔力を叩き込む。
「ッッウグッ」
男、1メートル程後方に吹き飛ぶ。
「これで、終わりだ…。ビッグバ×アタッーク」
アンは、男に向かって魔力の塊を叩き込んだ―。


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