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フォックスハンティング
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危ないアルバイト-2

「ありがとうございます。いただきます」
由美は、昭子からグラスを受け取り一口飲んだ。
麗子が、昭子の方に、手差し出す。
お盆に載せていたもう一つのグラスを麗子に差し出す。
それはカクテルらしい、一口飲むと再びグラスを昭子に差し出す。
昭子は、それを受け取ると、再びそのまま傍らに立ってる。
どうやら、揺れるこの船上でテ−ブル代わりにずっと立ってるらしい。
「どう? お口にあって?」
「はい、冷たくてとてもおいしいです」
「由美ちゃんは、礼儀正しくて、とってもいい子ね。由美ちゃんみたいな子。好きよ」
再び麗子は手を伸ばしす。
昭子は、再度、グラスを差し出す。
今度は、一気に、それを飲み干して、空のグラスを、昭子に返す。
「ふう……とっても、おいしそう」
由美は、語尾が、おいしいでなくて、おいしそうだったのを、聞き逃さなかった。
グラスを受け取った、昭子は、船内にもどろうと、歩き出した。由美もジュースを飲み干して、空のグラスを、もって、昭子の後について船内に行こうとすると
「青島さん、由美ちゃんのグラスも、お願い。由美ちゃん、もう少し、お話しましょう」
表情にも口にも出さず、しまった。逃げそこなったと心の中でつぶやいた。
由美は、蛇ににらみつけられた小動物のような目で昭子に救いを求める。
「グラスを……」昭子は、スルーしてグラスを取り上げて持っていってしまった。
「バイトの3人の諸君」船内にいた綺堂3兄弟の長男、孝が現れて呼んでいる。
隆は、178cmの長身のわりに極端に細身で見た目だけは、いまどきのイケメンだが由美のタイプではなかった。
「すいません、行かないと、失礼します」
由美は、心の中で、らっきーって叫んでいた。
「孝のやつ、いいとこなのに……」由美は、小走りに孝の前の居今日子やリサの横に並んだ。
「青島さん!」
麗子は、さっき、船内に戻った昭子を呼ぶ。
「お呼びでしょうか?」
すぐに昭子が来る。麗子はビーチチェアから立ち上がる。
「そこに立って」
 バシっと肉の音が響く。
麗子は、キックを昭子のおしりに打ち込んだ。由美はその様子を横目で見ていた。ひえ〜〜〜〜〜〜〜っ。
「もう、いいわよ」麗子は再びビーチチェアに。
昭子は、何事もなかったように一礼して船内にもどった。
「さて、別荘に着いたら大島に別荘と近辺を案内させる」
孝の後ろには、孝付きのメイド大島智子が、立っていて、3人のほうに一礼する。
 智子はカールのかかったロングヘアで彼女も黒いメイド服だが昭子と違い半袖に極端に短いミニスカートだった。
「それが終わったら実際の仕事の明日まではゲストだ。仕事の説明は明日の午前中に行う。それまでは、自室で休むもよし、ビーチで過ごすもよし、自由だ」
「やったねー」
今日子と、リサは、手を取り合って、喜ぶ。
船は入り江に整備された港に入り、停船する。
港には、綺堂家の使用人らしき男たちが、数人待っていた。
まず綺堂家の3兄弟が、その友人達が、みんな、手ぶらで降りて行く。
そこへ使用人達が乗り込んできて荷物の搬出を始めた。
由美達3人も手伝っていた。
荷物の運搬を終えた後、3人は智子に自室に案内された。
驚いた事に1人づづの個室だった。
3人は、自分の荷物を部屋に置いた後、別荘内と近辺を案内された。
それが終わるとリサは、今日子と由美に弾んだ声で呼びかける。
「30分後に、ビーチに集合ね」2人は、リサの提案に賛成すると、水着に、着替えてビーチに集まった。
 リサは、胸元がウエストあたりまであいてる大胆なカットの、黒のワンピース。
 今日子はバックスタイルがビキニ、フロントスタイルがワンピースのちょっぴりセクシーなデザインの黄色いモノキニワンピース。
由美は、フリルの付いたオレンジのチューブトップのビキニだった。
 別荘の最上階は、ラウンジになっていて、そこには、綺堂3兄妹と孝の友人たちがいて、談笑してる。全員が、酒を飲んでいる。昭子 祥子 智子の3人のメイドが、かいがいしく動き回ってる。


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