再会のバトル-6
「よぉ、久しぶりだな……と言いたい所だが、邪魔すんなよ」
アースはキャラの太ももを撫でながらグロウに文句を言う。
『邪魔したいわけじゃねぇがステラが落ち着かねぇんだよ』
「ぁ…義姉さん……が?」
キャラは躰をよじってアースを引き剥がした。
アースはムッとしながらも大人しく愛撫をやめる。
『大丈夫だっつったんだがウロウロして鬱陶しい』
ラインハルトもギルフォードも不機嫌なのでかなり城内の雰囲気が悪いらしい。
「ゴメン、アース……オレ戻んなきゃ……」
とか言いつつアースの腕を握ったまま離さず、物凄く不安げな顔……手を離したらこのまま会えなくなるのでは、と言いたげだ。
キャラの仕草が可愛くてアースはおでこにキスを落とした。
「俺も行く」
アースはキャラを抱き上げ空中に浮いた。
「お前は走れよ」
『あ?!こらっ!!』
ケケケと悪戯っぽく笑ったアースは、城まで猛スピードで飛ぶ。
さっきまでバトルが行われていた中庭に降りると、片付けをしていた者達が集まってきた。
「姫!!」
「ご無事でしたか!?」
「姫を離さんか!!無礼者!!」
掃除をしていた年寄りの爺さんに、ビシーッと箒で腕を叩かれたアースはキャラを落としそうになる。
「っぶねぇな!爺ィ!!降ろすから叩くな!」
アースは怒鳴ってからキャラをそっと地面に降ろした。
「心配かけてごめんなさい。兄上達の所に行くので彼を謁見の間に通して下さい」
キャラのお願いに爺さんは嫌な顔をしつつ、アースを案内するべく先に歩きだした。
(アース……それ、オレのリアル爺さんだ……気をつけろ)
すれ違い様に囁かれた言葉にアースの腕にぶわっと鳥肌が立ち、いったい何に気をつけるんだ?!とキャラに目をやる。
そんなアースにキャラは苦笑いして見せるとさっさと場内へ行ってしまった。
「はよう来んか!!」
爺さんに怒鳴り付けられたアースは首をすくめて渋々後に続く。
ギルフォードの部屋に入ったキャラはステラの熱烈な抱擁で出迎えられた。