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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-11

「妬くのはギルフォード兄様だけかと思ったか?」

 どうやらキャラもやきもちを妬いていたらしい。
 やっと再会したと思ったらバトルだし、迎えにきたのではなく仕事のついでだし、中々2人きりになれずイライラしているというのに、アースはステラに色目を使っている……まるで自分だけが待ち焦がれていたみたいじゃないか……とキャラはいじける。

「……かっわいぃなぁ〜…」

 アースはキャラをギュウっと抱き締める。

「うるさいっ」

 口では文句を言うが、抱き締められて躰が喜んでいるのが益々悔しい。

「もうちょい黙っとくつもりだったんだが……実はな……ゼビアの次期国王代理っつう役職についた」

「……なんだ、その中途半端な訳のわからない役職は……」

「まあ、そう言うな。これでも一応、ゼビアのナンバー2なんだ」

 キャラはキョトンとしてアースを見上げた。
 アースがそういう地位や名誉を欲しがるとは思っていなかったからだ。
 キャラと目を合わせたアースは苦笑すると、大きく深呼吸してキャラの前に片膝をついた。
 キャラの左手を取ってその手に唇を落とし、顔をあげて緑色の目を見つめる。

「キアルリア姫、私と結婚していただけませんか?」

 アースがキスを落とした場所……薬指には……シンプルなデザインの指輪がはめられていた。
 突然の事にキャラは固まる。

「お前がお前だから好きになった……キャラのお前も、キアルリア姫のお前も……ひっくるめてお前だから……全部俺のものにしたい」

 全てを手に入れるために、それ相応の地位を手に入れた。

「……手品師かよ……」

 いったいいつはめたんだ、と突っ込むキャラの目から涙が零れる。

「そこ突っ込むとこじゃねぇよ……で?返事は?」

 その涙は嫌なのか嬉しいのかどっちなんだ、と聞くアースにキャラは涙を流したまま最高の笑顔で答えた。

「私でよろしければ喜んで……に決まってんだろ」

 キャラの返事に嬉しそうに笑ったアースは、立ち上がってキャラの涙を拭う。

「お前がいい……お前しかいらない」

「顔赤い」

「うるせぇ、見るな」

 今更ながら恥ずかしくなってきたアースは誤魔化すようにキャラと唇を重ねる。

「ん……」

 頬に添えられた手に自分の手を重ねたキャラは笑顔のままキスを受け入れる。
 舌を絡め濃厚な口付けをしていると、キャラがもぞもぞしはじめた。


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