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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-10

「まあっとっても美味しいですわ!」

「この茶葉は温めのお湯でゆっくりと煎れたほうが爽やかな味になるんですよ」

 そんな奥様の情報交換のような会話をしていると、息をきらしたグロウが戻ってきた。

『アース……てめぇ……』

「ハッハッハ〜おかえり〜グロウ」

『グアォッ』

「わっ!悪かった!降参降参!!」

 飛びかかってきたグロウを受け止めたアースは、グロウの首辺りをぐりぐりと乱暴に撫でる。
 別に本気で怒っているわけでもないグロウは、その手に自らも擦り寄って甘えた。

「じゃあ、グロウ。ステラ義姉さんを頼む」

『あ?』

 じゃれてるグロウにキャラは立ち上がって声をかける。
 一瞬、キョトンとしたグロウだったがアースの悪戯っぽい表情と、グロウにしかわからないキャラから発せられる欲情の匂いに納得して大人しくステラの足元に移動した。

『ごゆっくり』

 グロウのセリフにステラはニコニコしながも首を傾げ、キャラは少し顔を赤くしてアースを促して先に出口へ向かう。

「では、失礼します」

「ステラ姫、お料理と魔法の事でしたら何なりとお聞き下さい」

 アースはステラの手を取ると、最高の笑顔と共にキスを残してキャラの後に続いた。
 ステラは真っ赤な顔で頷き、ギルフォードは早く行けと言わんばかりにアースを睨むのであった。

 ギルフォードの部屋を出た途端、キャラはアースの手を引いて歩きだす。

「?どうした?」

 城を案内してくれるのではないのか、とアースは戸惑いながらも引かれるままについていく。

「うっさい」

 不機嫌丸出しのキャラは足音も荒くずんずんと進んだ。

 ある部屋の扉を躊躇わず開けたキャラは、中に入るようにアースを促す。
 部屋にはソファーとテーブル、本棚と並んで置いてある棚には……様々な武器。

「……この色気もへったくれもない部屋はもしかしてお前の部屋か?」

 曲がりなりにもお姫様のくせに、この武器のコレクションの数はないと思う、と振り向いたアースの襟首をキャラは両手で掴んでグイッと引っ張っる。

「うおっ」

 至近距離で睨んでくる緑色の目を、アースは戸惑いながら見返した。


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