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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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別離の間〜Side:F〜-3

「散々私を責めておいてお前も手を出していたのか!?」

「私は無理矢理ではない!!ちゃんと合意のうえでの行為だ!!」

 突然始まった兄弟喧嘩にうんざりしたキャラとオーウェンは喧嘩が収まるまでのんびりお茶を飲む。

「だいたい、お前のセックスには優しさが足りない!」

「はぁ?見てもいないのに批評するな!」

「キアルリアの反応を見ればわかる!キスもしないなんてあり得ん!」

「それは……やはりそれぐらいはと……って待て!お前キスしたのか?!」

「たっぷり味わった」

「お前なぁ〜せっかく私が我慢したのに……」

「ならその先も我慢しろ!この馬鹿!」

「……グロウ……」

 喧嘩が収まりそうもない、と判断したキャラはこっそりとグロウを喚んだ。
 柔らかい光と共に意気揚々と現れたグロウは、尻尾をピシャリと振ってキャラに聞く。

『……で?どっちがライン兄ちゃんだ?』

 金色の目を爛々と輝かせるグロウの首を、オーウェンが後ろから掴んだ。

『かりにも一国の王に手を出すな、馬鹿もんが』

 なるほど、確かに兄2人を守るより、グロウを押さえた方が楽だな、とキャラは気づく。

『離せ!爺ィ!!』

 突然聞こえた叫び声に、双子は喧嘩を止めて振り返り、オーウェンに首ねっこを捕まれて暴れている大型犬サイズの黒猫を見て呆気にとられる。

「……これ……が……?」

「ええ、グロウです。グロウ、こっちがラインハルト兄様。そっちがギルフォード兄様だ」

 キャラはお互いを紹介してやった。

『てめぇがラインハルトか……腕か脚……どっちか選べ』

「は?」

『どっちかで許してやるっつってんだよ!!喰い千切ってやるから覚悟しろ!!』

 グロウの物凄い剣幕にラインハルトの背中に冷や汗が流れる。

「喰い千切るな馬鹿」

 キャラはグロウの頭に拳を降り下ろす。
 ゴッと、痛そうな音がして別の意味で新たな冷や汗が流れた。

『ってぇな!止めるなよ!』

「あのな、コレはお前に会う前の話で、お前には全く関係ねぇんだよ!口を出すな!」

『うるせぇ!俺の気がおさまんねぇだろうが!!』

「言う事聞かねぇと戻すぞ!?」

『ぐ……』

 キャラとグロウ、召喚師と魔獣では、契約している限り召喚師の方が立場が上なのでグロウはキャラの命令に逆らえない。


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