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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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別離の間〜Side:Z〜 -3

「こいつが最年少魔導師で騎士団隊長のアースだ。こいつなら文句はねっだろ?」

(文句?)

 部屋中がざわめき、賛同する声と反対する声が聞こえる。

「文武両道ですね。これなら国民も安心でしょう」

(は?国民?)

「しかしながら、彼は生まれが……」

(生まれ?)

「それに、かなり短気な性格と聞いてますし……女性関係も……」

(……悪かったな……)

「短気な所はこれからの教育でどうとでもなりましょう」

(教育……)

「女癖の悪さってのも大丈夫よ。アタシが保証するわ」

(?????)

「んじゃ、次期国王代理はこいつで決定ってこったな」

「ちょーっと待てっ!!」

 国王の最後の言葉にアースは両手を突き出して待ったをかける。

「……話が全然、まったく見えてこないんですが……次期国王代理ってなんの事ですか?」

 アースの言葉にベルリアがため息をついて答えた。

「言葉通りだよ……」

 現在、ゼビア国王は結婚していない……という事は勿論、子供もおらず後継者が居ないのだ。
 ゼビアは若い国なので、そういう所は結構寛大で後継者が居なければ国民投票で国王が決まる。
 実際、現国王の祖父は国民投票で選ばれた王だ。
 しかし、現国王は死んだ訳ではなく、まだ40歳。
 これから結婚して子供が産まれる可能性は十分にあるが、後継者が成人して次期国王になるまでに病気になったり、死んでしまったりの可能性も十分にある。
 そこで必要になるのが次期国王代理という役職だ。
 後継者が産まれた場合は護衛と教育係になり、成人する前に現国王が死んだ場合は成人するまでの繋ぎ。
 産まれずに現国王が死んだ場合は国民投票による新国王が決まるまでの繋ぎ。

「……なんで俺?」

 素朴な疑問。

「跡継ぎが産まれたら教育係もするからある程度の教養とか武術の心得がいるんだ。お前は魔導師として知識は豊富だし、騎士団だから武術もいける」

 なるほど。

「だけど、あれだろ?身分とかは問題ないのか?」

 さっきの会話に、生まれが……とかでてきていた。
 養子になっているとはいえアースは孤児だし、父親なんか人間でさえない魔獣だ……そんな得体のしれない者を選んでいいのか……。
 しかも、つい最近その生まれが原因で問題を起こしたばかりだ。


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