PiPi's World 投稿小説
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No194-01/06 16:38
女/牡丹
TS31-.FyxQOpj
羽を持つのに
飛べない者
地上に出なければ死んでしまうのに
水の中を住家とする者

出来ないからしないのでは無く
そこに執着しているわけでも無い

出来る事をして
順応しているだけ

それでもたまには
空を見上げて羽ばたかせ
力一杯空気を吸い込む

自信を保つ為に

自分を保つ為に
No193-01/06 14:46
女/稍
SN25-EJhV7H/d
ぼくの人生は
ぼくだけのものだったのに

ぼくのかなしみも
ぼくの憂いもぜんぶ
ぼくだけのものだったのに

ぼくだけのものだからこそ
安心な孤独のなかでたったひとりペンを握ろうと思っていたのに
書きたいことが沢山あったのに

今やぼくの人生のほとんどが君のものだから
ぼくは静かな混乱のなかで
もはや動かない右手とともに
何もできないまま君の隣で

このまま朽ち果ててもいいかな
なんて思いながら
静かにその時が来るのを
待っている
No192-01/06 13:45
女/ヒナ
V903SH-4m6pTEwp
厚い雲から降り続く雪
あたりは白銀の世界

きっと純粋無垢だった少年時代
大きな安心にくるまれて
夢と希望に溢れていた貴方連想した

今は悩み傷ついていても
また少年のように
夢と希望に満ちる貴方になりますように…
No191-01/06 13:36
女/沙羅
P901i-1GKj6rZA
バスの車窓から三日月。

飴のように舐めたら
きっと頬の内側に刺さって痛そうなほど細いね?
消えてなくなりそうなくせに
いつまでもついてくるね?
暗やみにほのかな光を宿す
決して闇にはさせまいと

私の心の中の貴方への
想いのように…

闇ではいさせてくれないのね?
No190-01/03 18:38
男/戒狷
SH251iS-j5RuOICn
オレンジ色の夕焼けと
安くあげた食材達にほくほく顔の帰り道

君はいつも僕に荷物を持たせて
隣をてくてく歩いてる

アパートの階段が見えてくると
君は何か思い付いような顔をして
一人でぱたぱた走り出す

やれやれまた先に行ったよって
呆れ顔で玄関のドアを開けると

君は笑顔で
おかえりっていう

僕は少し呆れながらもうれしくて
ただいまって返す

そんないつもの二人の会話

無意味と笑ったいつもの儀式

ほんとは違った君の意図

一人になって気付いたやさしさ

君にお礼がしたいのに

今では遠い昔の思いで
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