PiPi's World 投稿小説
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No19-2009/11/11 22:28
桜井(822P)
涙を流しながら笑った胸のうち。ねえ、醜い想いを知らないでしょう。
死にたくないの、死にたくなんかないの、なのに私は死ぬの。お医者様はいつ死んだっておかしくないなんていう。皆が同情の視線をくれる。君は日に日に笑顔をなくす。
ねえ、私、思うの。
私を殺すのは病気じゃなくて、君たち、みんな。

だから私は傷をつける。君の柔らかくて繊細な心に、見えないように、気づかれないように爪をたてる。
ねえ、苦しんで。悩んで哀しんで泣いて、泣いて。私のことで君の中をいっぱいにしたいの。最後の最後まで可哀想な私の皮をかぶってあげるから、だから、ねえ、私のこと、

「私のことなんてすぐに忘れて、幸せになって」

いつか誰かが君の心を覗きこみ、そこに残る無数の傷に気付けばいい。その為に私は最後の最後まで足掻くから。君に傷をつけるから。

少しでも長く君が私を想ってくれますようにと、願いを込めて。


^^^^^^^^
ごめんなさいすごく勝手なことを書きましたフロムポストさん許してください許してください。


『願いを込めて』で^^;
No18-2009/11/11 00:09
フロムポスト(CA38)
次は「涙を流しながら」でお願いします。
No17-2009/11/11 00:09
フロムポスト(CA38)
何が正解なのか分からなかった。
彼女の、どうすれば私を嫌いになってくれるの?という言葉に、どんか答えを返せば正解なのか分からなかった。
医者によると、彼女はもういつ死んでもおかしくない、という事だった。
「ねえ、分かるでしょう?」
そう言って彼女は笑う。
それは他の誰の為でもない、純粋にぼくの為に作られた笑顔だった。
「このままだと、もし次の誰かがあなたの元に現れても、あなたは先に進めないわ。ねえ、お願い。言って。どうすれば私を嫌いになってくれるの?」
彼女のか細い手が、ぼくの手を握る。
思ったよりも強い力が、その手にこもっている事が、彼女の覚悟をぼくに示した。
暗闇の中で死のうとしているのだ。
ぼくの為に。
「ふざけるな!」
思わず叫んだ、ぼくが居た。
「知ってるよ!君が死ぬ事位知ってるよ!けど、絶対に孤独の中でなんて死なせないぞ!君は死ぬ!そしてその時の隣には絶対にぼくが居る!ぼくは君が死ぬ瞬間を見る!そして泣くんだ!泣いて!泣いて!けど、それは絶対に正しい姿なんだ!君を愛するぼくの姿なんだよ!」
叫びながら、涙が頬を伝ってくるのが分かった。そんなぼくを、彼女は笑った。
涙を流しながら、笑った。
No16-2009/11/07 21:11
白いフクロウ(831P)
どちらの方が暖かいのだろうか、という問いに、彼は南極と答えた。
南より北のほうが寒いというイメージなのだろうか。
「だって南のほうが暖かいじゃん」
案の定だ。
「違うの?」
「うん、違う。北極のほうが暖かい。南極のが寒い」
北極は海上で南極は陸上だ。陸と海では陸のほうが寒い。
「ふーん。ま、どうでもいいけど」
「……」
随分と身も蓋もないことを言ってくれるもんだ。
「じゃあ、問題。俺とお前、暖かいのはどっち?」
「はあ?」
なんだそれ。なぞなぞ?
「意味がわかんない」
「まあ、勘でいいから。勘で」
彼と私で、暖かいほう……。私はよく人から冷たいと言われる。自分ではそんなつもりはないのだが。
すると、彼のほうだろうか。
「君?」
「んー。正解はね……」
正解もなにもあるのだろうか。

『正解』で。
No15-2009/11/07 20:32
フロムポスト(CA38)
次は「どちらの方が暖かいのだろう」で。
文字数が足りず、毎回2レス使って申し訳ないです。
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