PiPi's World 投稿小説
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No589-2009/04/08 02:42
コルト(TS3H)
四角い箱はとても
便利だと思います
夢と幻想と感動と
殺意と失望と真実と

だから私は四角い
箱に入りたいと思いました
嫌なことだけの三次元に
お別れを告げて二次元に

私を迎えた二次元は
夢とは違う酷い世界
魔法と武力が入り乱れ
辺りはいつも焼け野原

とある勇者は即死して
とある魔王は世界を征服
どんな魔王か忘れたが
どんな勇者か忘れたが

えくすかりばーを装備して
必殺技を撃ちまくる
村人の話によると
ラストダンジョンは近いらしい

異形の怪物切り捨てて
ラスボス目指して進み行く
なんでもボスを倒したら
願いが一つ叶うらしい

私の仲間の魔法使い
横から見たらぺらぺらだけど
前から見たらたくましい

とうとうボスに辿り着く
序盤に出会った子供だった
中盤あたりで別れたが
まさかの伏線だったとは

だが同情、容赦なし
えくすかりばー天を裂く
倒れるボスの胸の上
一つの宝石輝いた

「願いを一つ叶えよう」
まさか宝石が喋り始める
私の答えはただ一つ
「三次元に戻してくれ」
No588-2009/03/14 23:19
コルト(TS3H)
こどもたちが向かうのは
先の見えない森の中
みどり鮮やか沢のおと
こどもたちは進み行く

こどもたちが迷うのは
一つの大きな別れみち
団結することままならず
別れを選び進み行く

こどもたちが対するは
まっくろ歪な森の悪
ひとりふたりと飲み込まれ
涙を流すも対峙する

こどもたちの足取りは
弱く儚く悲しげで
失うものの大きさに
嘆き憂い跪く

こどもたちが見つけるは
小鳥がさえずる秘境の憩い
傷を癒やし涙を拭いて
さらに奥へと進み行く

こどもたちが辿りつく
大きな森の終着点
光が射し込み照らされて
笑顔がいっそう輝いた

こどもたちは幸せに
ゆっくり体を横にする
長い長い道のりを
終えた喜びかみしめて





こどもたちは進み行く
誰かの足跡頼りにして
その先何があろうとも
まだ見ぬ影を追いかけて
No587-2009/03/13 00:07
灰谷(913SH)
柔らかに笑う目尻の
人の良さそうな笑いじわに恋をした
楽しげな横顔の背後で舞うのは
どこまでも無垢な薄紅の花びらだった

足取りはいつもふわふわ軽く
綻ぶ春を見てはにこにこ
その隣いられるだけで
最初は幸せだったのに


嗚呼 欲深なわたし
そのうちそれだけでは足りなくなって
思い描く願望は
たとえば手を繋いだりだとか
特別な言葉を囁きあうだとか


それは恋するみんなのあたりまえ
だけど大変罪深い
明かせぬ心が刺になり
胸を突き刺し苦しめる
時々なみだが粒をなす


隠し持つのは恋心
徒花の如き片思い
行き場もわからず燻って
不埒な願いに身を焦がす


無邪気なあなたは知りもせず
明日もわたしに会いに来る
No586-2009/02/21 23:45
R(CA39)
この不安な気持ちをいつか笑って思い出せるのかな

楽しい思い出にできるのかな

あとどれくらい人生が残っているのかはわからない

100歳まで生きられるかもしれないし

50歳かもしれない

親よりも早く死んでしまうかもしれない

でも
だから

先のことに希望を見出すんじゃなくて今を生きたい

今のこの不安定な気持ちも大事にしたい

未来には何があるかは分からないけど

自分で踏み出していきたい

後悔する生き方だけはしたくない
No585-2009/02/13 15:01
フロムポスト(CA38)
君の真似して悲しそうにするだけでは分からないかもしれないね

お互いの心臓が動いているだけで本当は生きてないのかもしれないね

伝えたくて唇を動かすけれど言葉はすっかりくたびれた

震えてるのはきっと
寒さのせいだけじゃない

どんなセリフも考えも
君の役にたたないな

こっちにおいで
なぞってあげる

君の汚い部分とか
すっかり根付いた孤独とか
その輪郭を確かめるよ

こっちにおいで
腕の中へおいで

すっかり穴だらけになった場所を
ぼくの手で確認すればいい

こっちにおいで
同じ場所においで

優しさも痛みも感じないなら
一緒に隠れてしまおうよ
こっちにおいで
腕の中においで

逃げる事にも疲れたなら
そっと隠れてしまおうよ
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