PiPi's World 投稿小説
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No951-2009/05/27 00:29
コルト(TS3H)
「良いかな?」
「良くないよ」
 心地よい風が走る晴天麗らかな今日。空に巣くう邪魔者はお休みらしく、元気に太陽が光り輝いている。
 このまま飛べば、鳥になれそうな気がしないでもない。
「一応聴くけど、なんで止めるの」
「いや、社交辞令的なものかなあって」
「一理有る」
  見晴らしは良かった。富士山もくっきり見える。なんて良い日だ、と少し感動した。
「じゃあ行ってくるよ」
「やっぱりやるんだね」
「ここまで来ちゃったらね」
 そして私は、思い切り地を蹴った。
 富士山が逆さまになる。
 風を切る音がうるさかった。
 ぐるん、と世界が回った。

「良かった。出来た」
「おめでとう。今更すぎるけど」


「今更」で!
No950-2009/05/27 00:13
笑麻(N905i)
……ずっと 

そう、ずっと前から気付いていた。君が私に向けてくれている想いに。 

でも、気付いたからって素直に喜べる程おめでたい性格じゃないし 

…いつか、いつか君の気持ちが変わってしまって 

こんな風に二人で居る事が出来なくなるのが何より怖いんだ。 


…だから、もう少しだけ気付かない振りをしても良いかな?



初めて投稿してみました。
“良いかな?”からお願いします(ぺこり)
No949-2009/05/27 00:01
髭(SN3K)
どこまでも一人だと分かっていても、僕は、僕らは自身終わらせることはできない。籠の中に現れたものが、悪魔であれなんであれ僕らはきっと続いていくんだ。
「そんなこと言ったって死なないじゃないか、君だって」
「終わらせることだって出来るわ。しないだけよ」
そう言って彼女は絵本をパラパラとめくった。その仕草、又は眠たそうな眼を、僕は素敵だと思った。
「きっと、何も現れなかったのよ。虚無、夢想、その類い。じゃないと、救われないもの」
夕暮れが悲しく僕らを照らす。それじゃあ、僕らは。きっと僕らは。
「続き描いてよ、貴方なりに。結末を」
そうやって、彼女は短くなった色鉛筆を取り出して来た。
僕らは一人だ、ずっと。それでも僕らは続いていく。ずっと。




『ずっと』で。
No948-2009/05/26 23:35
フロムポスト(CA38)
次、『どこまでも』でお願いします。
No947-2009/05/26 23:34
フロムポスト(CA38)
「出てきたものは…何だったと思う?」
「分からん」
彼女は絵本をパタンと閉じると、退屈そうにあくびをした。
彼女が古本屋で買ってきたという少し埃まみれた絵本は、それが当然であるかのように主人公が籠を開ける時点で終わっていた。
作者がどんな意図を持ってそこで物語を終わらせたのかは分からない。
もっと感受性というものがあれば、ぼくも彼女も籠から出てきたものについて議論なんかをしてみたのかもしれない。
だが生憎もう直ぐ19になるぼくらは遠い遠い昔にその感受性とやらを置き忘れてきてしまったらしいのだ。
それが取捨選択の末なのか、それともそう成らなければ成らなかったからなのかは分からない。
分からない、分からない。
分からない事が多すぎて、時々、ぼくは自分が誰なのかも良く分からなくなる。
「出てきたものが、世界を終わらせる悪魔なんかだったら良かったのにね」
退屈そうに、呟く。
希望じゃない、絶望ですらない。
彼女はきっと、飽きたのだ。
変わりすぎてついていけない変わらない毎日に、予\\\定調和の綺麗な夕暮れに、自らの感情に、全てに飽きたのだ。
「あーあ、さっさと死なないかしら、私」
分かっている。
ぼくらは独りだ、どこまでも。
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