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No956-2009/05/29 00:53
ぺこにゃん。(DM003SH)
「正解、ねぇ。」
そう呟いてから煙草をくわえ、
静かに煙りを漂わせる。
「今すぐには、わからないものなんじゃないかな?」
言葉を選ぶようにゆっくりと、
彼は私に微笑みかける。
「でも、オレは知ってるよ。
この答えを導き出すために
君がどれだけ悩んで考えて
最善を尽くしてきたのかね。」
もう一度煙りを吸い込んで、
吐き出す様に見とれながら
彼の紡ぎだす言葉達を待つ。
「正解か不正解かじゃなくて、
それを導き出すプロセスのほうが
重要なこともあるよ。」
灰皿で火を消す仕草まで愛おしい。
時折厳しいことを言われることもあるけれど
彼ほど私を理解して、
受け入れてくれる人はいないだろう。
「それにね、オレはいつでも君の味方だよ。」
初参戦です。
次は「味方」でお願いします。
No955-2009/05/28 21:34
リラ(F704i)
君が見たものが、君のただしい答えなんだ。
タンポポの綿毛だったのかもしれないし、ハツカネズミだったのかもしれない。世界を終わらせる悪魔だったのかもしれないし、──気のせい、だったのかもしれない。
巨大なミックス・ピザを食べるように。
チーズに隠れて見えない具は、エビかもしれない、コーンかもしれない、アンチョビとオニオンかもしれない。
口に入れて、食べてみて、
イカだと思えばその具はイカなのだ。
君にしかわからない。
まさか口から出して、ひとに確認してもらうわけにもいかないだろう?
そんなのは、お行儀が悪い。
君が籠の中に見つけたものが、タンポポであったのなら。
わたしも伴侶と共に、庭に綿毛を埋めるとしよう。
ひとの数だけ、答えはあるさ。
ひとの数だけ、物語は生まれるんだ。
最後に
おいしかった、おなかいっぱい
と笑うことができたなら、
君の出した答えは全て正解だったということだ。
『正解』で。楽しいな、これ。
No954-2009/05/28 20:55
フロムポスト(CA38)
それを書いた理由はなんだろう?
しばらく考えてみたが、やっぱり分からない。
またぼくの人生に分からない事が一つ増えた。
「タンポポ?」
「うん」
主人公が捉えた影はタンポポの綿毛で、主人公は伴侶と一緒にそれを地面の中に植え、水をやり、草を抜き、やがて次の春にタンポポが咲きました、というのがぼくの考えた物語の続き。
ひねりも何も無い、絵も拙い、正直に言えばつまらない。
彼女も同じような感想だろうと、ぼくは思った。
「悪くないわ」
でも彼女の眠そうな眼は、ふわりと柔らかく微笑んだ。
その顔に、ぼくは溜め息を漏らしそうになった。
ああ、そう言えば、ぼくは彼女が好きだったんだ。
太陽が断末魔のように輝いていた。
ぼくと彼女の横顔とぼくの書いたタンポポが紅く染まっていた。
分かっている。
ぼくらは独りだ。
でも、独りが二人集まれば、ただの一人になる事ができる。
ずっと前から言いたかった事にぼくはようやく気付いた。
「ねえ、ぼくは君が…」
『君が』、で。
No953-2009/05/28 13:44
白いフクロウ(831P)
「自分ね、昔、バイクで事故ったことあるんですよ」
山田はそう言って、左足のズボンの裾をめくってみせた。
「ほら、ここに傷痕。中央分離帯におもいっきりぶつけましてね、複雑骨折でした」
確かにそこには痛々しい傷痕が残っている。ただ特にひどい後遺症はないようだ。
「ひゃー、ひどいなそりゃ。原因なんだったんだ? 酒か?」
「違いますよ。歩道から子供がいきなり飛び出してきたんです」
「あー、災難だなあ……」
「でもね、そのとき、周りの人が変だったんですよ」
そこで山田は、ふいに声を潜めた。
「変?」
「ええ。周りには何人か人がいたんですけど、なぜかだれも110番も119番もしてくれないんです。飛び出してきたん子供の母親も。ほとんどの人が携帯電話を持っていたのにですよ?」
「え……なにそれ」
なんだか薄気味悪い話だ。
「でも、実はこれには理由があるんです。先輩、わかります? その理由」
『理由』で
みなさん、わかります? その理由
No952-2009/05/27 01:05
麻亜(P905i)
今更気付いたってもう遅い。
永遠に一緒だなんて信じたのがそもそもの間違いで。
それでもそれが当たり前だと思っていた。
カリソメのヤクソクだなんて思いもしない。
この幸せな時間は永遠に流れて、流れてそして…
ただ明日もまた次の日も、この想いは変わらない。
変わらないと思っていたのにゆっくりと形を変えてゆく…
それに気付かず小さな夢を見つめていた。
在りし日の小さな小さな自分。
では、次は『自分』で!!
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