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No724-11/10 08:32
久遠(HI38)
(全く、ここは最高だよ。加工された表情がたくさんあるじゃないか)
その時、食堂の奥の方から歌が聞こえてきた。
澄み切って、脳が揺さぶられるような歌声だ。
「お、また歌姫が歌ってるぞ」
「歌…姫…」
「何だ、知らないのか。彼女は新曲の制作も兼ねて、時々歌っているんだよ」
男がそう言ったとき、突然もう一人の男が耳を塞いで喚きだした。
「やめてぐれ!鼓膜を切り落としてぐれええ!」
「ど、どうした!?」
男の暴走に続くように、食堂のあちらこちらから叫び声が響き渡る。
「早くナットーヲ!格下のクセにボクを待たせるなんて許しまセーン!」「ええい、厨房を貸せ!至高で究極の料理というものを教えてやる!」「もっといい髪は無いのか!髪の神に相応しい髪は!」「足りねえ!親父の光じゃ足りねえんだ!」「何だここの家具は!フィット感がまるで無いじゃないか!」「俺を振るなんて許せねえ!」
そんな惨状を見た男が、悦に入った表情で舌を出す。
「くぅ〜、いい表情に加工されてるじゃないか」
歌姫は知らない。
自分が歌ったとき、食堂が脳を揺さぶられた者達によって地獄絵図になることを。
>白い梟さん
ありがとうございます(笑)
次は【地獄絵図】で。
No723-11/09 23:32
白いフクロウ(811SH)
「絞めてやりたくって……。ギュウギュウに絞めつけてやりたくって……。それだけなのに……」
「わかる、わかるぞ」
二人の男が、刑務所の食堂で話をしている。
「でもな。君より辛い思いをしている人はたくさんいるんだ。ほら、例えば彼らを見てごらん」
見ると、鼻の低い外人が慌てて走っていた。
「ナットー! 納豆をくだサーイ! 息が! ブレスガァー!」
そのとなりには、異様に痩せた男もいる。
「こんな……こんなもの……料理ではない……! わ、わたしの千年帝国……!」
相談にのっていたほうの男が、相談していたほうの男に向き直って言った。
「ここはいろんな人がやり直す場所だ。君もがんばりなさい」
「ありがとうございます! なんか、がんばれそうです」
「うん」
男はにっこり微笑みながら、心の中でこんなことを思っていた。
(くーっ。逮捕された絶望のかたちに“加工”された顔は最高じゃないか!)
まあ、余談としてその相談している人物は本当に顔を“加工”していて、後に目の前の男の顔にも“なる”のだが、それはまた別の話。
『加工』で。
久遠さんに捧げます(笑)
No722-11/07 15:49
Dyuo(CA37)
「あ…」
突然、郁里が何かを思い出したかの様に呟いた。そして、モジモジしながら俺を見る。
「あ、あのね西くん…わ、わたし…西くんに、言わなきゃいけない事が有るの……」
「い、言わなきゃいけない事…って?」
郁里の頬はほんのり紅い。
その先の言葉を期待して、俺の心拍数が自ずと上がる。
「あのね、そのぉ…」
「何だよ?早く…言えよ。俺の事がス……」
うつ向く郁里の顔を見ながら言った。その言葉を促す様に、『ス』の口のまま止まる。
すると、郁里は急にパッと顔を上げた。
「今日の数学、テストだって!」
「……は?」
「いやぁ、昨日教えるの忘れちゃって…あーっ、スッキリした。赤点の人は、居残りだって!」
「……はぁぁ!?」
勉強してねぇ!いやいや、そういう問題じゃないだろ、俺っ!
目の前では、固まる俺をよそに、郁里が呑気にスキップしている。
郁里のヤツめ…俺のドキドキを返しやがれ!
てか、いつか絶対に絞めてやるっ!
次は『絞めてやる』でお願いします♪
No720-11/05 10:53
白いフクロウ(811SH)
ん?
よし。
できた。
完成した!
完成したぞ!
よし試運転だ。
スイッチ・オン!
お、動き出したぞ。
よしよしいい感じだ。
うん、動きも滑らかだ。
あれ、でもなんか変だぞ?
妙にきしんだ音がする。
げ、ついに止まった。
ヤバイ誤作動する!
電源切らなきゃ!
間に合わない!
爆発するぞ!
うわあぁ!
あーぁ。
はぁ。
あ。
『あ』で。
No718-11/05 05:40
ソロ(P904i)
「獣姫だろ?」
「違うよ。物の怪姫だよ」
「ああ。そっち側ね」
「どっち側?……まあいいや。次、鼠と猫を足したような妖怪と、ススのまりもみたいな妖怪が出てくる作品は?」
「ああ。わかるわかる。隣のどろろ」
「混ざってるよ。妖怪違いだよ」
「え?だって真っ黒こげ助が出てくるやつだろ?」
「……はい。次、呪いで豚にされたパイロットが主人公の作品は?」
「ああ、有名だよな。飛べない野豚」
「台詞だから。しかも違うし。…次、赤いリボンの可愛い魔女が愛と夢を届ける作品は?」
「ああ、ああ。何だっけ…確か、魔女のとっきゅ」
「はい。次、ラスト、呪文でお婆ちゃんにされ」
「違うな。魔女の宅配…」
「もういいから。わかったから。君が惜しい子なのはよくわかったから。次行こ。次」
「…はい」
「呪文でお婆ちゃんにされたヒロインと若い魔法使いが主人公の作品は?」
「え?そんなのあったか?」
「いや、こっちが、え?あったじゃんか。ハウルって奴の住む城がブリキみたいに動いて…て答え行っちゃったよ」
「うん?ブリキで動く城?」
「え?いや、うん。ん?」
「ん?」
「…ん?」
次は、「ん?」でお願いします(^_^;)
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