PiPi's World 投稿小説
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No749-02/23 17:23
ミラージュ(KC3A)
「…ち、畜生っ!」
私はただ呆然とその光景を見ていた。
大破し燃え上がる車、遠くで聞こえるサイレンの音、大地を真っ赤に染め上げる彼から流れる血。
出血の量から漠然と彼はもうすぐ死ぬのだな、と感じた。
「…お前は大丈夫なの…か?」
青くなった唇で弱々しく発する彼の声。
「…はい」
私はいつものように答える。本当は片足の感覚がなかった。
「…ご主人様?」
彼には私の言葉はきっと分からないだろうが、聞いていた。
彼は微笑んで
「いきたいなら……走れ…」
私が答える前に彼は瞳を閉じた。
彼の『いきたい』は『行きたい』か『生きたい』かは分からない。
でも、私はいかなかった。

息絶えた彼の傍に、うずくまる。
私は『生きたい』も『行きたい』もなかった。
たった数千円で売られていたぼろぼろの私を彼は優しくしてくれた。
だから、最後は彼の傍で終わりたかった。そして、私は瞳を閉じた。


有りがちな交通事故だった。
居眠り運転をしていたトラックが普通車に衝突。居眠り運転の運転手は軽傷、衝突されたほうの運転手は死亡。
「俺も飼おうかな…」
事後処理をしていた警官が、衝突された運転手の傍で、片足を失って息絶えた犬を見て呟いた。

次は「呟く」で。
No748-02/23 10:44
Dyuo(CA37)
拭けば拭くほどキレイになるなんて、そんなのウソだ。
キレイにしようとかなり頑張ったのに、キレイになるどころか益々汚くなっている。
手にしたタオルには汚れを通り越して塗料が移り、目の前の物は無残なマダラ模様になっている。
有り得ない。
こんなに簡単に色落ちするなんて、あんまりだ。
さすが安物、さすが○国製だ。
こうなりゃ、全部の塗料が落ちて中の金属がペッカペカになるまで、意地でも磨き続けてやる!
覚悟しろ、こん畜生がっ!


きっと皆様にもこんな経験が…
(-"-;)d
次は『畜生』でお願いします。
No747-02/06 18:34
久遠(HI38)
「が…ガスバフぱくはつ!」
「違う、バスガス爆発」
「ばっ…バスガイド托鉢!」
「それは坊主だ」
「バスからキムタク!」
「車内は大騒ぎだな」
「パスしてスルー!」
「現実をか?諦めろ。放課後は追試だ」
「窓から宅配!」
「玄関から入れ」
「シャム猫離脱!」
「何からだ」
「パ・ドゥガ・セゥバック・ファッツ!」
「間違っているようで微妙に惜しい」
「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ!」
「言う気無いだろお前」
「ばちゅがっ!」
「どうした?」
「ひたかんだ…」
「血を拭け」
「いひゃい…」
「いいから血を拭け」
「ひゅいて…」
「自分で拭け」


次は「拭け」でお願いします。
No746-01/25 21:22
白いフクロウ(V705SH)
終わりだ! 行け! のしかかり!
カービゴーーン!
ダネフシャ!?
かっ、かわせえ!
フシャ!
カビィッ!?
いまだ! つるのムチ!
ダネッ!
ゴ、ゴーーン!
くそ! 戻れ!
カビー!

シュルルルル……

よし! 君に決めた!

ポンッ

ソーーーナンッスッッ!
なにぃ! よし、こっちも交代だ!
フシッ

シュルルルル……

いけ!
マーータドガース!
期待してるぞ!
ドガス!
よし、だいばくはつだ!
ドガス!?
いけ!
……ド……ドガーーースッ!!


懐かし(笑)
『ガス』で
No745-01/24 19:48
フロムポスト(CA38)
砂浜があった。
大きくて、大きくて、ぼくには先が見えない程の砂浜があった。
海があった。
広くて、広くて、ぼくが飲み込まれる程の海があった。
波があった。
ゆらりゆらりと揺れる波は、ゆらりゆらりと、しかし確実に砂浜をさらっていった。
波がひいた砂浜は、平らだった。
平らになった砂浜は、平らな瞳でぼくを見つめていた。
また波が砂浜をさらった。
平らな砂浜は、平らなままだった。
そこには何も無かった。
ふいに叫びたくなった。
波に持っていかれる物は砂浜には何も無かったのだ。
空と海と波と砂浜の境目に向かって、ぼくは叫んだ。

「助けに来い!!」

砂浜に、何かがあればいい。
それだけがあれば生きていける程の何かがあればいい。

「辛いよ!!
悲しいよ!!
苦しいよ!!
助けに来いよ!!
何で分からないんだよ!!」

空と海が、逆になればいい。
そうすればぼくは雲に乗って、此処ではないどこかに行ける。
安らかに終わりを迎えられる。

次回は「終わり」で。
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