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No817-03/30 20:07
ラクシェア(TS3C)
『さてと………』
資料室の片隅にある椅子に腰掛けて一冊のファイルを机に置く。
「Sランク」
黒いファイルにただそれだけ書かれた表\紙をめくると、多くの白紙があることがわかる。
主任から教えられた事は三つ、まずはETSの相手は人間を超えた鬼であること。 次に、鬼には三種類いること。
そして、ETSでも倒すことが出来ない鬼がいること。
それがランクSだという。
何枚かの白紙の後、写真付きのページが現われた。
「マリアンヌ=シャンゼリーゼ
種別 殺人鬼 通称 英雄狩り
出身 フランス(パリ) 活動地域 全世界
備考 十\六世紀フランスにて誕生 高名な将軍や政治家を狙う傾向がある。」
写真には、メイド服を着た笑顔の少女が写っている。 写真の隅に写っている死体と、血に塗れた両手が無ければかなり可愛いと思う。
次のページには初老の紳士が、やはり多くの死体と一緒に写っていた。 ファイルの写真は全て事件現場で撮ったものらしい。
「ウィルコット=オックスフォード
種別 食人鬼 通称 食人卿
出身 イングランド南部 活動地域 イングランド
備考 大食で数十\年に一度、村や街単位の食事を取る。」
次は『取る』で。
No816-03/30 09:40
セルヴォ(CA34)
「思い出すって事は、言ってみりゃ脳にある情報を再生するって事だ。
だが厄介な事にそれが事実とは限らねえ。
よく似た別の記憶とごっちゃになっちまう事も良くあるからな。
……おっと、話がわき道に逸れちまったな。
さて、本題に入ろうか。」
……我ながらよくわからん代物になったな。
お次は『さて』からです。
No815-03/29 21:20
ラクシェア(TS3C)
遅い時間だからか、部屋の灯は付いていなかった。
『ここが第一資料室か。』
立ち並ぶ本棚に視界を遮られて判断しにくいが、それほど広いとは思えない部屋だ。
本棚には何年も放って置いたような資料から、最近の物まで順番にならんでいる。 本棚の数は3………そこにファイルがまばらに置いてある。
ここには私が配属された部署が処理した特殊な犯罪者のリストが保管されている。
「E・T・S」
正式名称、EuropeTripleSという警察の組織だ。
TripleSの三つのSだが、そこには各自でスーパーとかシークレットとか入れるのだと主任は言っていた。
この組織は、警察、時には軍の中から選ばれた者が配属される特殊なものだ。
ヨーロッパにおける特殊犯罪者の取締と逮捕を目的としている。 だが、その相手は人間ではないと主任に聞かされた。
『ねぇ、新人君、君は吸血鬼とかって信じる?』
配属した時に初めて会った主任に言われた言葉を思い出す。
何気なくシリーズ物を始めてみたり。
次は『思い出す』で。
No814-03/26 22:37
リンク(P902iS)
>813より
学ぶには時間が必要だ。しかし、その時間てぇヤツには限りがある…。
何?時間は無限です、だって?時間が消滅するには空間が消滅しなければ…だぁ?
洒落臭ェ事を吐かすな!
お前等みてェにオベンキョウの出来なさる人間の話はよ、生憎俺のような無学者には分からねェよ…あぁ、認めたらぁ。こんなジジィになるまでよ、俺ぁロクに本の一冊も読んだ事がねぇ。
俺が言いてぇのはな、そんな『距離÷速さ=時間』…なんて科学的な意味じゃねぇんだよ。
人間てな、いつかは死ぬんだって事なんだよ!
お前等はまだ若いから、死ぬなんて身近には感じられねェんだろうよ、そりゃそうよ…俺だってそうだったさ。
だがな…歳を取るなんざアッと言う間だぜ?嘘じゃねぇ…嫌でも分かるさ、直にな。
だから…学んどけよ、いろんな事をよ。確かに本だって大切よ、俺が言えた義理じゃねェがな。
だけど、生の身体で学んだ事ってなァ絶対にお前等の力になるんだぜ?血肉になるんだぜ?
本だけじゃ分からねェ物事ってのがあるんだよ、世界にはな。
『外の空気』を吸って来なよ…ジジィになってから後悔したって遅いぜ。
Next→『遅い』で続けて下さい☆
No813-03/23 23:31
ミラージュ(KC3A)
「3つ…」
私の目の前にはせんべいが三枚あった。
たちが悪いことに湿気てた。
「あやちゃん、せんべいお食べなさい」
私の名前を言い、無邪気に湿気たせんべいを勧める母。
「湿気てるのいらないから」
「まぁ、あやちゃんは何時からそんな贅沢になったん!?」
湿気てるせんべいをいらないと言った私は贅沢なのか。
むしろ、せんべいくらいは湿気てないものを子どもに与えようよ。
「あやちゃん。世界には食べたくても食べれない子がいるんで」
うん、湿気たせんべい食べたい人に与えちゃってください。
私に与えないでください。
「だから、せめて自分たちが食べるものは食べなさい」
「…じゃぁ、母さんが食べればいいじゃん」
母は、想いを我慢し小さな反論した私を真っ直ぐに見詰め言い放った。
「湿気たせんべいなんていらないわよ」
世界の不条理を学んだ瞬間だった。
次は「学ぶ」で。
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