雑談BBS
No809-03/15 07:25
?/公羽(Akeha)
HI38-6rlxwBXr
『道路工事により
この先通行止め』
錆び付いて、打ち捨てられた立て看板に、背を預けるかのように、佇む少年がいた。
よく見ると、じっとどこかを見つめてる。
その視線の先を、私は気付くと追っていた。
月──。
一杯に膨らんだ月が、太陽の光を浴びて、まるで白金のように輝いていた。
キレイ──。
私も少し、月の放つ美しさに、見とれてしまった。
そう言えば、今日は仲秋の名月。
しばらく忙しくて、そんな事も忘れてたな。
「好きなの?」
「え!?」
急に掛けられた声に驚いて、私は地上に視線を下げた。
少年が、すぐ目の前まで寄って来ていた。
その少年は、屈託のない笑顔で、再び口を開く。
「月。 君も好きなの?」
「ううん。 ただ、じっと見てたみたいだから、何見てるのかな、ってね」
「それにしては、じっと見てたみたいだけど?」
「見られてたんだ」
「お互い様にね」
それを合図にするかのように、どちらからでもなく自然に笑顔が溢れた。
それが不思議な少年。 美月(メィユエ)との、出会いだった。
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『出会い』『出会いだった』
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