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抑えきれない女
【痴漢/痴女 官能小説】

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抑えきれない女-2

「はあ……気分転換に街ブラでもしようかな」

さやかは、気だるそうにベッドから這い上がると、軽くシャワーを浴びてから化粧をし、外着に着替えた。
ひとりで過ごす休日は、実に一年ぶりだった。
彼氏は一昨日から出張で海外に飛んでおり、帰りは二週間後だと言っていた。
とてもじゃないが、二週間も空けられたら自分が何をしてしまうのか不安でしょうがない。実際、気分転換と称して外へ出かけたものの、さやかの視線は街行く男性ばかりに向いている。しかも、頭の中ではすでに淫らな妄想が渦巻きはじめていた。

(あっ……あの人のお尻……キュッと引き締まって逞しいわ……ああ、おもいっきり舐めてあげたい……)

ファーストフード店に入り、窓側の席でアイスコーヒーを飲みながらジッと通り行く男性を観察するさやか。ウォッシュスカートの中では、早くも太ももの付け根あたりが熱く疼きだしている。
ムズムズと焦れるような痺れに、ときおり組んだ脚を交互に入れ替えてみる。
だが、妄想が淫靡さを増すにつれ、秘芯から繰り出されてくる痒悦感は腰一体へと蔓延していった。
もうこうなると止まらない。
湧き上がる性欲が脳を完全に支配しようとする。

(ああっ……触りたい……オ、オ○ンチンをメチャメチャに弄りまわしたい……)

さやかの指は、いつしかスカートの縦に入ったボタンを掴んでいた。

ひとつ、ふたつ―――みっつ目を外したところで指が止まった。

「すみません、隣いいですか?」

「えっ? あっ、は、はい。どうぞ」

突如声を掛けてきた男に、さやかは酷く緊張した面持ちで返答した。
動きを止めていた指が、今度は慎重にボタンをかけ直していく。
心臓がドキドキと高鳴った。
少し冷静になろうと、椅子に深く背をもたれながらアイスコーヒーを口に運ぶ。手が震え、あわててもう一方の手をカップに添えた。
さやかは、前かがみでガツガツとハンバーガーに貪りついている隣の男をチラリと横目で見てみた。
坊主頭に黒縁のダサいメガネ。
腫れぼったい眼に大きな鼻と口。
身体は華奢に見えるが、半そでから覗いている腕はわりと筋肉質だ。

(この人……いわゆるオタクっていう人なのかしら?)

オタクという言葉は知っていても実際には見たことがないので、どんな格好の人をオタクというのかいまいち分からない。しかし、見た感じどうもオタクっぽい気がする。
さやかは、できるだけ背を反り、男の容姿を斜め後ろからじっくりと観察してみた。
顔はお世辞にもハンサムとはいえず、面長にあるパーツがどれをとっても大きい。いかにも、もてない男!って感じだ。身長はおそらく自分と同じくらいで、身体つきは筋肉質の痩せ型ってところだろうか。服装はといえば、ブルーのストライプが入った半そでシャツをきっちりとチノパンの中へ入れており、なんともセンスがない感じだ。
まるでタイプではない。
到底セックスの対象になどなりえぬはずの男だった。


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