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真実の扉
推理リレー小説 - 推理

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真実の扉 1

僕は松本 亮輔(まつもと りょうすけ)というフリーライターです。
いま僕は知り合いの探偵事務所にいます。さて、ノックしてしますか。
コン、コン
「はあーい、あ、何だ。松本さんですか。」
この女性はこの探偵事務所の助手で水城 美穂(みずき みほ)といいます。
一人でも充分やっていけるのに、なぜか探偵で僕の友達の武田 龍仁(たけだ りゅうじん)に付いて行こうとしている様です。その話はまたあとで語りましょう。
「何だは、無いでしょ。あれ、龍仁は?」
いつものように僕は龍仁が何処にいるか聞いてみました。
「先生なら用があって外に出てますよ。合いませんでした?」
「合わなかったけどな・・。まあ、いいや。君に用があったからね。」
「私に?」水城君は驚いている顔をしていました。
「ああ、水城君。君は龍仁の過去に興味はないかい?」
「いや、無いです。」即答でした。
「なんで?!話の流れ的にだめじゃん。」
「どーせまた、小説にして狙おうとしているんでしょ?第一作が売れたからって。」
僕は思わすギクッとしてしまいました。
「まあ、その通りだけど、聞いてよ。龍仁の過去を・・。」

※※※

 その日、朝から仁──この頃はまだ龍仁と名乗っていなかった──は不機嫌だった。なんということはない。占いの結果がビリだっただけだ。

「仁、大丈夫よ。お母さんがいつも見てるから。さあ、学校へいってらっしゃい」

 しかし、仁の母──武田 秋穂(たけだ あきほ)の言葉を聞くと、仁はたちまち機嫌が治ってしまう。だから、仁は母が好きだった。

「うん! いってきます!」

 そういうと仁はバックを背負って、体育館へと駆け出した。

※※※

 その日、秋穂は偶然にも仕事が休みだった。毎日が忙しく、仁の相手をしてやれないことを多少だが悔やんでいた。だから、午後になってから、夕飯の買い物へと出かけた。たまには、好きなものを食べさせてやろうという気持ちでいたからだ。

 いざ、おかずを買おうというとき携帯電話のバイブがブブブと震えだした。発信者はどうやら夫の武田雅靖(たけだまさやす)らしい。

「あなた、どうしたの? 今、仕事中じゃない?」

 雅靖も仕事が忙しいから、仕事中に電話してくることはほとんどない。

「仁が、誘拐された……」
 後の龍仁にとって悲劇のハジマリに過ぎなかった。

※※※

 秋穂は居ても立ってもいられず、仕事場である警視庁へ駆けていた。入り口には秋穂が来ることがわかっていたかのように、雅靖が今か今かと待っていた。

「あなた、どういうこと? 仁が誘拐されたって?」

「詳しい話はあとだ。おまえも捜査に協力してもらうからな」

 警察官は基本身内の事件は捜査してはならないという暗黙の了解がある。感情移入して、正しい判断ができなくなるからだ。しかし、今はそんなことをいってられない。人手が足りなすぎるのだ。ちょうど世間は黄金週間と呼ばれる期間。連絡をとりたくても、取れない人が多い。


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