そのとき、一瞬歪んだ清隆の表情をまどかは見逃さなかった。
「……清隆さん、まだなにか隠しているでしょう」
「へ?」
ポーカーフェイスにはそれなりの自信があった清隆は、図星をつかれて呆気なく狼狽えてしまった。
「いや、ないよ? なにも」
「ウソね」
あっさりと見抜かれてしまった。まったく、妻の目というものは侮れない。
「……うん、話しておいた方がいいかもしれない」
そう切り出すと、清隆はもう一度さきほどの手紙を手元に寄せた。
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