時が止まるとき
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「この人も動いてる!」思わず私が叫ぶと、男の人はこっちを振り向いて凄くびっくりした顔をした。と同時に、画面の端に黒い影が写り映像が横倒しになる。テレビカメラが壊れたのか、映像はそれきり途絶えてしまった。 「うーん、ちょっとしたホラーだね」美奈子が呟く。 「あの人、こっち見てた…」 「カメラ倒した奴を、でしょ?何だろね。人ならいいけど」さり気無く怖い事を言う。 「よし、テレビ局行ってみよう。」思い切りがいいのは彼女の美点だ。普通行動する前には悩むものだけど、その手順をさっさと乗り越えてしまうのがミナなのだ。そういうのって私には出来ないし、尊敬してる。お陰で言い損ねたけど、目が、合ったって。テレビの中でからあの人は、確かにこっちを、私を見ていたのだ。 首都へ向かう電車の中でぼんやりそんな事を考えていると、突然ミナが謝った。 「ごめん。私もっと考えてから行動すべきだよね」 「?何言って…」 顔をあげたらすぐに理由は分かった。うっすら虹色に光る電車が何故動いてるのか、考えるべきだったのだ。外は蛋白石色の靄に包まれて、その向かうに見た事も無い建物が浮かび上がる。 ここはどこ。 そして私達の前には、 怪しい人影が立ちはだかっていた。マントを被った顔は分からない。その雰囲気がにやり、と笑って楽しげに言う。 おめでとうございます、あなた方は選ばれた勇者です。 「この世界救って下さい。こっちが滅びるとあなた達の世界も終わりです。…ありがちな展開ですけどね。」 一体どこの世界でありがちなんだろうかこの異常事態が。 「ファンタジーだろ」ミナは事も無げに言う。 「こういう本良くあるよ、本当になっちゃうとは思った事無かったけど。」 親友だし尊敬もしてるけど、私は時々彼女に着いていけない。この時もそうだった。ミナはぺろりと唇を舐めて、夢中になっいる証拠の少し乱暴な言葉使いで尋ねた。 「巻き込まれた以上はやったろーじゃん。教えてよ、何が起こってるのか。」
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