もう一人のわたし
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混乱の中、私はいつの間にか自宅を離れていた。 いつ、どのようにしてここへ移動したのか覚えていない。 埃だらけの窓からは、今にも紫紺から漆黒へ沈んでしまいそうな西空。 まだ小学生だった頃、ここを秘密基地にしてた。 私が小学校へ入学するかどうかという時、近所のやったら敷地のでかい電機工場が撤退した。 その工場跡地は商業用地にするにも面倒で、パチンコ店にするにも大きすぎて、 今に至るまでこうして工場建屋も取り壊されることはなく放置されたまま。 当然正門とか正規の出入り口は固く封鎖されたままだけど、 ある日、上級生が工場敷地を囲む水路跡から中へ通じる出入り口を見つけた。 そしてその上級生の仲間内でだけ、その出入口の存在が共有される。いつしか、この工場跡は巨大な秘密基地と化した。 ……とはいっても、大半の工場内施設には鍵がかかっており、子供に出入りできる範囲は限られていた。 いつの間にか座っていたこの事務所は、その出入りできた場所の一つ。 跡地正門からいくつかの建屋を通ってほぼ真向いの位置、高い外壁の際に建つ小さな建屋の一階にあり、 外から見られる心配はなかった。
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