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魔物は難民?
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魔物は難民? 1


魔物、皆はどんなイメージを抱いているかな。
何故か僕、桧山智樹の周りに現れるのは怖そうなのは見た目だけとか、
可愛らしい姿で言動はエロ親父とか、一癖も二癖もあるのが多い。
そんな彼らは実は魔界で起こっている戦争で住処を追われたり、戦争が嫌で逃げて来た難民なんだ。
魔界で起きている戦争の発端は先代魔王が人間の勇者とエルフの賢者、ドワーフの戦士により討取られた事に端を発する。これにより地上への侵攻所か魔王一族存続の危機と“なった”らしい……逃げてきた魔物の多くが魔界では力を持たない弱小種族や変わり種とされ一族から追い出された。彼らとしては安住の地を求めるも魔界の隅々は各派閥抗争の戦場となった。その為に人間界に来るしかない……我が祖父にして勇者であるロドシスは魔界にてその様な魔物を目にした時からこの様な魔物が人間界に来る事は予見……幸いにして人間界には魔物により滅んだ王国が数カ国あり人間界での内乱を防ぐ名目でその王国に魔物に居住する事を認めた。難魔(なんま)人の始まりである……。
彼らは長年魔族により荒廃した大地が点在する地上の各地の復興に尽力を尽くし、時には命を落とした者も出た。それでも人間では危険過ぎる事は大抵やった……何時しか人間も難魔人を受け入れ、新たなる命を共に育てた。エルフの国とドワーフの国、人間の国に難魔人の国は地上を回復を務めた。だが難民化した魔人は後を絶たない、それだけ魔王への執着がどの種族も強く争いが止まらないと言う……魔人らの多くは子供や年老いた者で戦力となる世代が全滅したり戦えなくなった者が僅かな望みを託して地上へと目指すが、その者達を見逃す魔族は少ない……全滅する事もあるのだ。変わり種は才に恵まれた者も多く単独で来るか戦える世代が居ない魔族に同行して地上を目指す事が多い。
魔族の根絶が続く事に対する憤りだろう、責めても解決しないのだ……それに辿りついた者達は戦力世代を失った種族を守る為に地上を目指した。最も余りにも種族での対立が進み、種族内での近親婚が続き、その親から産れた次世代の弱体化が一因である……地上に出て他種族の血を交わった次世代を増やさなければ後は無いのだ。危機意識により難魔人各国家は結束しており地上の復興を担う事になる。



幼き頃、祖父ロドシスの過去の話を常に聞いていたシスはため息をつく。今日もまた魔族の難民が発見したのだ……最悪の形で。深き森の中で難民キャンプを発見したがテントも木陰も死体に溢れていた。魔族言えとも病気には勝てない……黒班病もその一つだ。
「隊長……ダメですね、黒班病です」
「……大地母神教会に通達は?」
「通達済みです、彼らに安らかなる弔いを」
ドワーフ族の少女は謡い出す、死者となって彷徨う魂をあの世へと導く為の……そうしないと亡霊となってしまう。



その謠で瀕死状態になっていた幼子は安らかな眠りにつく……既に永眠している母親に抱かれたままに。
「オルク族の方が来ました」
共同無縁墓地に埋葬する為に大地母神教会が要請し彼らは応じた。


「スリート族ですね、ゴブリン系の流れを汲む亜種です」
ドワーフ族の少女で大地母神教会の野戦神官であるクミナは言う。ゴブリン系は他種族のメスに子供を産ます寄生型繁殖種族であるがスリート族は突然変異を起こして雌のゴブリンが誕生し知性もそこそこあったのでゴブリン系では上位種族になる。最も雌も他種族の雄を服上死させるまで交わる……それが幼子でも。
「ゴブリン系まで難民化とはこれ如何に?」
「決まっているだろ……魔王争いが歯止めできないのさ」
最寄りの大地母神教会にてうろたえる大臣に騎士長は呆れる。


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