エヴァ―残った二人のその後― 1
「…きもちわるい」
世界中の人間を万物を全て補完し、またもとある姿に戻した少年の直後の一言がこれだった。
気が付くと見知った少女の首を締めていた…
(な…なにしてんだ…僕は)
止めよう止めようと思っても、体が言うことを聞かない…
「ぅ…ぅぅ…あぁ」
少女の苦しむ声を聞いて、やっと自分の指を緩めることができた…
「ア…ア…アスカ…」
とめどなく涙が溢れてきた…僕が望んだのはこんなんじゃない…綾波…カオル君…
母さんが生きてて父さんが僕のことを考えてくれて、エヴァなんかなくて使途もいなくて、学校があって、ミサトさんやアスカがいて、トウジがいて、ケイスケがいて、カヲルくんがいて、綾波も……。
空は青くて、その下で僕は、みんなと笑いたかったんだ。それなのに……。
これは僕が望んだ世界じゃない。
僕はみんながいる世界が良かったのに。そのはずなのに。
そんな時に突然人々の記憶、ゼーレの陰謀など多くの情報がシンジの頭に入ってきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁー」