「行かせるか!!」
レフト山崎が強肩を生かしてダイナミックなフォームから本塁に鋭いレーザービームを投げ込んだ。
「アーウトォ!!」
本塁刺殺に成功した。ツーアウト１塁と場面が変わった。
「４番ピッチャー浜中」
アナウンスがかかり、球場は盛り上がった。その初球
カキーン!!
土屋のフォークを上手くすくい上げた打球はレフトフェンスを直撃した。真野は一気に本塁へ向かった。
しかし、また山崎が本塁にレーザービームを投げ込みこれを刺殺した。
チェンジだ。
２回表。
先頭バッターはキャプテン篠原である。その初球。
カァーン
打球はライト線を襲った。ライトは中継の浜松に返球。いきなりの二塁打となった。
「しまった……」
ピッチャー浜中は呟いた。
続く土屋は初球を打ってセカンドゴロ。この間に篠原は三塁に進んだ。
「タイム！」
守りのタイムを取った。
猪俣（捕手）「埋めますか？」
細川（三塁手）「７番は俊足ではないですから併殺狙えますよ。」
浜松（二塁手）「併殺を完成させる自身はあります。」
浜中（投手）「良し。次を敬遠して７番で併殺を狙おう。ただファーストとサードに行ったらバックホームだ。」
細川「了解！」
松上（一塁手）「わかりました。」
６番清水が打席に入ると猪俣は立ち上がりこれを敬遠。
「７番サード中村。」
初球、この試合で初めてフォークを投じた。
ブゥン
空振りだ。
第二球、今度は大きく曲がり落ちるカーブ。
ブゥン
また空振りだ。
次に高めに早いストレートを投げ第四球、サインに５回も首を振った。これは単なる心理作戦。そして投げたのは内角に食い込むシンカー。
ゴンッ
打球は注文どおりのショートゴロ。
山野（ショート）「ほイッ。」
セカンドにトス。
浜松「ハイッ。そーれ。」
ファーストへ転送。
松上「はい。」
一塁塁審「アウトッ」
ダブルプレー完成だった。
２回裏
この回先頭は島袋。ツーストライクと追い込まれてからの三球目、
カキーン
右中間を真っ二つ。センター清水はサードに返球。二塁打となった。続く浜松は三塁手の前に絶妙のバント。これで走者を三塁に進めた。
七番松上。一球目ファウルの後の二球目外角のフォークボールをバットの先に乗せ、レフトへフライを上げた。
三塁塁審「アウト。」
タッチアップから島袋は本塁を狙った。山崎の鋭い返球で本塁はクロスプレーとなった。先制か、交代か。球審が本塁を食い入るように見た。