奉行が帰った後、妻の千沙は俊明にすがりついて涙を流した。
「あなた…!」
「千沙…」
俊明はただ妻の名を口にし、彼女の体を抱き締める事しか出来なかった。
千沙はすすり泣きながら言う。
「どうして…どうして天はこんな不幸をあなたの身に降りかからせるのでしょうか…!?あなたは今まで悪い遊びもせずに真面目一筋に働いて…これから家族三人やっと幸せになれるという時に…!」
「大丈夫…お奉行や同僚の皆も力を貸してくれる。きっと私の無実は証明されよう…」
それから更に数日後、俊明への処遇が決まった。
俊明は御沙汰を受けるため久し振りに登城したのだった。
「佐藤 新左右衛門 俊明、城中にて抜刀し上村 剛之丞 重文を斬殺した咎により切腹を申し付ける!」
「は……!?」
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