しかし、リダールはすぐに顔から笑みを消し、真剣な表情になった。
「ゼスティン。お前はもう独り立ちせい」
「は…しかし」
異を唱えようとするゼスティンを押し止めて、リダールは続けた。
「正直な処、わしにはもう教える事が無い。いや、何を教えていいのかわからん」
ゼスティンにはその呟くような言い方が、悔しいとも、寂しいとも聞こえた。
「それに、年始の御前試合が済んだら官を辞すつもりで居ったからの…」
ゼスティンは息を呑んだ。
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