ルカは小さな遺骨をそっと体に忍ばせ、もう一方の入口に向かって歩きだした。
レイスと化してしまったマーリスの呪いを長い時間受け続け、変わり果て、なお自我すら失ってしまった領主の魂をまずはとき放ってやらなければ。もう罪は償ったであろう。
「ルカ、あの領主をどうやって倒すのさ」
フィルが土まみれの顔を袖で拭きながら言う。
ギアースが静かに続けた。「そうだぞルカ、あいつはマーリス…すなわち呪いを架けた術者を何とかしなけば、永遠に再生し続ける」
「でも別の道はない」
ルカは呟く。
「あの部屋を抜けなければ…」
↑に続く文章を投稿して下さい
©2002-2024 PIPI's World 『投稿小説』 All Rights Reseved. | 投 稿 小 説 |