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虐待少女
恋愛リレー小説 - 少年/少女

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虐待少女 1

智子は今、誰もいない夜の公園で一人ベンチに座って涙を流している。
智子は小学4年生の美少女。母親からの虐待を受け夜も遅いというのに家を飛び出してきて今に至る。父親は三年前、交通事故により還らぬ人となってしまい、助けてくれる人はいない。
一人涙しながらこれからどうしようか悩んでいる。家に帰りたくはない、でも行く所も無く途方に暮れていた時、一人の青年が智子に近付いて来た。
「なんかあったの?」

「いえ、なんでもないです」と智子は否定をするが充血した眼は嘘をつけなかった。

「なんでもないわけないよ 眼が腫れてるし… それにこういう子はほうっておけないんだよ もしよかったら俺が相談にのるよ」
青年は笑顔で智子に言った。

しばらくして智子は安心したのか泣きやんだ。
そして青年に事のすべてを話した。 時折、涙を流しながら...
母から虐待を受けていること 頼りの父親がなくなったことなどをすべて話した。


青年はたまにうなずき智子の話を聞いていた。
智子は話を終えると今度は青年が話し出した。

「俺の名前は須藤孝平って言うんだ。大学1年だけどアパート借りて一人暮らしなんだ。よかったら来ないか? 智子ちゃんの家にいるよりはましだと思うんだけど…」
うつむいたまま、智子は小さくうなずいた。
孝平は「おいで」というような仕草をすると
智子は孝平の後について歩き出した。
孝平は今日はたまたま遊びに来ていてこっちの街に用事があったが、可愛い女の子は捨て置けないと思ったので声をかけた。
1時間かけて歩いて電車に乗ったりして孝平住むアパートについたのである。
「ここは見た目は高級だけど中は広くないから...」
そういうと智子を部屋の中に呼び入れた。
 智子を招き入れた室内は、大人三人寄ると、ぎゅう詰めになってしまう玄関が目の前にあり、その先には畳8畳分の広さに覆われた室内の中に、リビングとキッチンがあるだけで、あまり快適と言うには程遠い物を感じた。しかし…男性が一人で暮らしている割にはあまり散らかってはいなかった。普段は勉強に追われているのかリビングのテーブルには参考書が積み上げられている。壁には映画や、売れっ子アイドルのポスターが掛けられていた。智子は始めて入る男性の部屋に緊張しながら座り込む。
 孝平は、智子の向かい側のテーブルに腰を下ろして俯いている少女の顔を見る。涙に濡れていた女の子は、現在自分の目の前にいる。先程聞いた話の内容からすれば、彼女の今後の行方は、警察署に連れて行かれて、それ以降は、県の児童保護団体によって、何処かの施設に入れられるであろう…。自分の立場は彼女の身体に指一本触れた時点でアウト。今、こうして一緒にいるのを見られただけでも、明日からの自由な生活は無くなる。せっかくここまで育ててくれた両親に報いる事もできずに、不幸な日々を送る事になる。

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